石井章元参院議員=30日午前、東京都内

 東京地検特捜部が詐欺罪で在宅起訴した元参院議員石井章被告(68)は「親分肌」の政治家として知られ、関西が基盤の議員が多い日本維新の会でも一目置かれる存在だった。地元・茨城県では複数の企業や法人の経営に関与していた。

 石井被告は町議や市議を歴任し、2009年に国政に転じた。支援者の女性は「まじめな仕事ぶりだった」と信頼を寄せてきた。

 所属していた維新では、馬場伸幸前代表との距離の近さでも知られた。面倒見の良さから被告を慕う政治家も多く、「石井軍団」と呼ばれた。

 地元では複数の社会福祉法人や企業の経営に関与し、豊富な資金が政治力の源泉ともうわさされた。

 大川香留被告(60)は石井被告と長年行動を共にし、別の関係者は「事務所内で唯一、石井被告に意見できる存在だった」と語る。

 架空の公設秘書とされた男性は石井被告が理事長を務める社会福祉法人の従業員だった。知人は「おっとりとしたタイプの人。石井被告に頼まれて名義を貸したのではないか」と話した。