警察庁などが入る合同庁舎

 特殊詐欺など多岐にわたる犯罪に関与する「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」の首謀者らの摘発に向け、警察庁と警視庁で1日、新体制が発足。警察庁には全国の情報を集約し、グループの実態解明を担う「匿流情報分析室」を新設。指示役ら中核の多くは首都圏が拠点とみられるため、警視庁は「匿流対策本部」を立ち上げ、全国から集めた捜査員による専従捜査チームを結成し、摘発を目指す。

 匿流の関与が指摘される犯罪のうち、特殊詐欺と交流サイト(SNS)を通じた投資、ロマンス詐欺の被害総額は昨年、過去最悪の約2千億円。中核摘発が進んでおらず、被害は深刻化している。組織改編で警視庁に捜査力を集中させ、対策強化を図る。

 警察庁の匿流情報分析室は約40人体制で、全国警察から集まった捜査情報を分析。

 警視庁の対策本部は「特殊詐欺対策本部」を改組し約140人体制。副総監をトップとし、中核の選定や摘発の戦略立案を担う。専従捜査を行う「匿流ターゲット取り締まりチーム」(略称T3)は対策本部に置かれ、来春までに全国から捜査員計約200人を招集する。