「核なき世界」を目指す高官級会合で発言する田中聡司さん=26日、米ニューヨークの国連本部(共同)

 【ニューヨーク共同】国連が「核兵器の全面的廃絶のための国際デー」と定める26日、米ニューヨークの国連本部で「核なき世界」を目指す高官級会合が開かれた。日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表理事田中聡司さん(81)=広島市=も出席。「(昨年の)被団協のノーベル平和賞受賞は(核兵器に対する)危機感の薄さへの警鐘だ」とし核保有国に一刻も早い廃絶を訴えた。

 田中さんは米国の「核の傘」に頼る日本などを念頭に、核抑止力に傾斜する安全保障体制を憂慮。「核軍拡競争が止まらず人類は全滅の瀬戸際だ」と指摘した。「人類が核兵器と共存できないことを命ある限り訴え続ける」と呼びかけた。