近代日本の政治家で元首相の西園寺公望が文相時代に起草した「第二次教育勅語草案」が、丸善丸の内本店(東京都千代田区)で開催中の企画展で展示されている。西園寺を学祖とする学校法人立命館(京都市)の史資料センターが保管していたもので一般公開は初。センターの那波宏哉研究スタッフは「現代の教育にも通じる先見的な思想が表れた意義深い史料だ」と話している。
那波さんによると、当時の社会状況や教育勅語が、日本を特別視して外国をさげすむような風潮を導くと考えていた西園寺が、女子教育の充実や平和的な国際協調などを掲げた草案を1890年代に書き上げたとされる。
草案では「日本人が外国の人々に丁寧親切に接することで、大国の国民としての寛容の態度を示していかなければならない」などと主張していた。だが、病気で文相を辞任し実現しなかった。
企画展では、草案全文や現代語訳のほか、西園寺愛用の硯などの史料約80点を展示。那波さんは「草案は実らなかったが、後に立命館の教育方針の中で実践されてきた側面もある」と説明する。
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