電動車いすを使う男子生徒が今春の受験で、私立高と話し合う機会のないまま入学を断られた問題で、香川県の担当者が25日、生徒の自宅を訪れ「高校側と話したい気持ちをうまく受け止められず申し訳なかった」と対応の不備を直接生徒に謝罪した。関係者への取材で分かった。生徒は謝罪を受け入れ「今後の受験生には同じ思いをしてほしくない」と伝えた。
改正障害者差別解消法に基づく文部科学省の対応指針は「合理的配慮」検討のため対話が重要だとしている。
訪れたのは私立高を所管する県総務学事課長ら2人。取材に「謝罪が遅くなり申し訳なかった」と述べた。昨年夏、生徒側が中学校長を通じ複数の私立高に受け入れ可否を尋ねたが、いずれも生徒側と直接対話することなく設備や人的態勢から難しいと回答した。
県は条例で、障害者からの相談に応じ、必要な助言や情報提供をする責務があると定めているが、相談した保護者に高校との話し合いが可能だとは伝えなかった。
生徒は私立への進学を諦め、公立志望に切り替えて合格した。