腎不全患者のための緩和ケアガイダンスのポイント

 腎不全患者に対する緩和ケアを巡り、日本緩和医療学会と日本腎臓学会、日本透析医学会が医療従事者向けの具体的な対応を示した国内初のガイダンスをまとめたことが25日、関係者への取材で分かった。痛みや抑うつなどへの対処に加え、家族支援も記載。末期腎不全による症状は透析によって和らぐことがほとんどだが、しない場合は死を迎える。本人がしない意向を示した際は、意思に変更がないかを繰り返し確認するよう求めた。

 がん以外では緩和ケアの提供体制が不十分で、取り組む医療機関が少ないとの指摘がある。厚生労働省は、体制整備のため、来年度予算の概算要求に1億円を盛り込んだ。学会が、医療従事者が実践しやすいガイダンスを作成したことで、多くの医療機関で普及が進むと期待される。近く公表する。

 ガイダンスは腎不全の緩和ケアを「透析の有無にかかわらず、患者と家族の身体的、精神的、社会的、スピリチュアルな問題を評価し、苦痛を予防し和らげることを通じて生活の質を向上させるアプローチ」と定義。全病期に応じた緩和ケアを示した。