東京都品川区の鮮魚店「中與(なかよ)商店」に並ぶサンマ。今年のサンマ漁は昨年の2倍を超える水準で好調な水揚げが続き、記録的な不漁だった2022年の年間総量の1万8千トンを既に上回った=25日午前

 今年のサンマ漁は昨年の2倍を超える水準で好調な水揚げが続き、漁獲量は1カ月半で2万トンを超えたとみられることが25日分かった。記録的な不漁だった2022年の年間総量の1万8千トンを既に上回った。卸売市場では例年より大ぶりなサンマが昨年の3割ほど安く取引されており、当面は秋の味覚を気軽に楽しめそうだ。近年の不漁を踏まえると先行きは見通せないが、漁業団体は12年以来の休漁期間を設ける措置を発令し、資源の取り過ぎを警戒する。

 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま、東京)によると、主力の棒受け網漁が解禁された8月10日から今月下旬までに2万トン超を水揚げした。23年の年間総量の2万4千トンにも相当する規模だ。24年は3万8千トンだった。

 漁場が近年の傾向通り北太平洋の公海になるとみられていたが、日本の排他的経済水域(EEZ)内でサンマの群れが見つかり、漁獲が増えたという。水産庁によると、サンマを乗せてくる親潮が想定以上に日本側に入り込んだ可能性がある。