兵庫県宝塚市の住宅で2020年6月、家族ら4人をクロスボウ(洋弓銃)で撃ち、3人を殺害、1人を負傷させたとして殺人と殺人未遂の罪に問われた野津英滉被告(28)は25日、神戸地裁(松田道別裁判長)の裁判員裁判初公判で起訴内容を認めた。

 検察側は冒頭陳述で、事件は計画性が高く、被告に完全責任能力があったと主張。子どもの頃に母親の愛情を感じられなかったなど家族に不満があったと指摘した。ナイフも購入していたが「矢の方が抵抗が少ない」と考え、大型のクロスボウを使用したと述べた。

 弁護側は、被告は当時発達障害があり「心神耗弱だった」とし、責任能力を争う姿勢を示した。