愛知県豊明市議会の本会議に臨む小浮正典市長(前列左)=22日午後

 スマートフォンの適正使用を掲げた愛知県豊明市の条例。仕事や勉強時を除く自由時間での使用の目安を1日2時間以内としており、「市に決められるのはおかしい」「健康を守るには必要」と市民の賛否は分かれた。「条例ができたところで守る人などいない」と冷めた見方も目立つ。

 「スマホを触っていると無意識のうちに時間が過ぎてしまう。条例はやりすぎを自覚するきっかけになる」。50代の女性会社員は肯定的に捉える。70代男性は「目の健康や睡眠時間確保のためにはある程度の制限が必要」と期待する。

 専門学校の女性(19)は動画共有アプリTikTokの動画を見るのが好きで、普段は8時間、長いときで20時間以上スマホを使うという。「条例が施行されても罰則がなければ目安は守られない」と突き放した。

 派遣社員の女性(44)は、小学2年の娘(7)が目にスマホを近づけて見ており心配していると明かす。娘が1時間使うとアラームが鳴るよう設定しているが「条例の施行を機に改めてルールについて話し合いたい」と話した。