2024年9月21日、大雨で河原田川などが氾濫し、冠水した石川県輪島市の市街地

 昨年9月の豪雨で土石流が発生した石川県輪島市久手川町で、犠牲となった女子中学生がいた住宅の跡地付近に供えられた花=20日午後

 警戒レベルと防災気象情報

 2024年9月21日、大雨で河原田川などが氾濫し、冠水した石川県輪島市の市街地  昨年9月の豪雨で土石流が発生した石川県輪島市久手川町で、犠牲となった女子中学生がいた住宅の跡地付近に供えられた花=20日午後  警戒レベルと防災気象情報

 昨年9月の石川県・奥能登地域の豪雨で、災害関連死を除く犠牲者16人のうち少なくとも10人が、5段階の警戒レベルで最高の「大雨特別警報」発表前に川の氾濫や土砂崩れに巻き込まれたとみられることが20日、遺族や地元消防などへの取材で分かった。熊本県や鹿児島県など各地で記録的大雨が相次ぐ中、国は「避難指示」など警戒レベル4までの避難が必要としている。平時での想定とともに、防災や避難に関する情報を住民に確実に届けるための行政側の取り組みが求められる。

 21日で豪雨災害の発生から1年となる。昨年9月21日朝、能登半島地震の被災地の奥能登地域を中心に雨が急激に強まり、線状降水帯が発生。川が氾濫し、山などの土砂が崩れた。

 輪島市では11人、珠洲市で3人、能登町で2人の計16人が亡くなった。今年8月以降、遺族や知人、消防などの関係者に取材。通信履歴や通報時間、目撃情報などから少なくとも男女10人が特別警報が出る前に輪島、珠洲各市で被災したとみられることが確認できた。