スウェーデン軍が19日に公開した画像。エストニア領空の侵犯に関与したロシア軍のミグ31戦闘機で、ロシア機がエストニア領空を離れた後、バルト海上空で撮影されたとしている(スウェーデン軍提供・ロイター=共同)

 【ベルリン、ブリュッセル共同】バルト3国のエストニアのツアフクナ外相は19日、ロシア軍のミグ31戦闘機3機が同日、バルト海のフィンランド湾で、12分間にわたりエストニア領空を侵犯したとX(旧ツイッター)で明らかにした。ポーランド当局は、ロシア軍機2機がバルト海の掘削施設上空を低空飛行し挑発したと公表した。

 ツアフクナ氏は「露骨な侵犯行為で、ロシアの攻撃性が増している明白な証拠だ。容認できない」と非難。ロシアの臨時代理大使を外務省に呼び出し抗議した。ポーランドには9~10日にロシア無人機計19機が飛来しており、欧州はロシア軍への警戒感を強めている。

 エストニアとポーランドは北大西洋条約機構(NATO)加盟国。NATOの欧州連合軍最高司令部は、エストニアに展開していたイタリアのF35戦闘機を緊急発進(スクランブル)させたと発表。スウェーデンとフィンランドの軍用機もスクランブルで対応したという。ロシア無人機のポーランド領空侵犯後に発動した「東方の見張り」作戦の一環としている。