防衛力の抜本的強化に関する有識者会議を終え、中谷防衛相(右から4人目)に報告書を手渡す、座長の榊原定征元経団連会長=19日午後、防衛省(代表撮影)

 防衛力の抜本的強化に関する有識者会議であいさつする座長の榊原定征元経団連会長=19日、防衛省(代表撮影)

 防衛力の抜本的強化に関する有識者会議を終え、中谷防衛相(右から4人目)に報告書を手渡す、座長の榊原定征元経団連会長=19日午後、防衛省(代表撮影)  防衛力の抜本的強化に関する有識者会議であいさつする座長の榊原定征元経団連会長=19日、防衛省(代表撮影)

 防衛省が設置した防衛力の抜本的強化に関する有識者会議(座長・榊原定征元経団連会長)は19日、報告書を取りまとめ、中谷元・防衛相に提出した。報告書は、非戦闘目的の5類型の防衛装備品のみ輸出を認める現行ルールの緩和や、防衛力整備計画の柔軟な見直しを提言。潜水艦の長時間潜航に向け、原子力を念頭に、従来の例にとらわれることなく「次世代の動力」活用の検討を求めた。

 安全保障関連法成立から19日で10年となった節目に一層の防衛力強化を促す内容で、憲法の原則である「平和主義」を後退させる懸念がある。原子力潜水艦は原子力基本法が規定する「原子力の平和利用」との整合性も問われる。

 有識者会議は昨年2月に設置された。報告書を受け取った中谷氏は「抜本的強化を進めるに当たり大いに活用したい」と述べた。

 政府は現在、防衛装備移転三原則や運用指針に基づき「救難、輸送、警戒、監視、掃海」に限り装備品の輸出を容認している。

 報告書は「国民の理解を得て移転の道を広げていくことが必要だ」と主張している。