蘇生措置を実演する高橋警部補=17日午後、県警本部

蘇生措置を実演する高橋警部補=17日午後、県警本部

蘇生措置を実演する高橋警部補=17日午後、県警本部 蘇生措置を実演する高橋警部補=17日午後、県警本部

 那須塩原市西岩崎の那珂川で8月、水遊び中に溺れて意識不明となった3歳女児らを救助したとして、県警の杉本孝(すぎもとたかし)本部長は17日、那須塩原署地域課高橋孝次(たかはしこうじ)警部補(42)に警察本部長賞(賞詞)を授与した。表彰の最高賞である本部長賞(賞詞)の授与は人命救助では珍しいという。

 高橋警部補は8月27日午前10時すぎ、管内をパトカーで移動中に事故の通報を受けて臨場した。現場では浅瀬から流された女児と、女児を抱きかかえた母親(41)が向こう岸の岸壁にしがみつき、身動きが取れなくなっていた。

 10年ほど機動隊に所属し、レスキュー部隊で水難救助の訓練をしていたため「自信はあった」という高橋警部補。制服の上からライフジャケットを着て母子の元まで約10メートルを泳いだ。付近は自身の身長166センチより深かった。

 近くの岸へ先に女児を引き上げた。口から泡が出ているのを見て「水を飲んでいる。急いで気道を確保しなければ」と判断。水中に残る母親の体力も気にしつつ、女児のみぞおち付近を指で押したり、背中をたたいたりした。

 「頑張れ、もう少しだから」。蘇生措置中は女児に声をかけ続けた。水を吐き出して意識が回復したため、すぐ母親も引き上げた。冷静な状況判断や適切な蘇生措置などが評価された。

 高橋警部補は「親子が無事で良かった。これからも県民が安心して暮らせるよう尽力したい」と話した上で「川で遊ぶ時はライフジャケットを着用してほしい。流された人を見つけても無理して川に入らず通報してほしい」と呼びかけた。