日航国際線の機長が8月、乗務前日に飲酒してハワイ発の3便が遅れた問題で、国土交通省は10日、昨年から繰り返し飲酒事案が発生しており、同社の管理監督が不十分だったなどとして、厳重注意の行政指導とした。国交省で記者会見した鳥取三津子社長は「事態を重く受け止めている。ご迷惑とご心配をおかけし、深くおわび申し上げます」と謝罪した。

 国交省は厳重注意の文書で機長の個人的な悪質性があったとする一方、「社員に安全意識が徹底されていない」と指摘。再発防止策を検討し、9月30日までに報告するよう求めた。厳重注意は法的拘束力のある行政処分ではないが、行政指導としては業務改善勧告に次ぐ厳しい対応。

 日航の幹部は10日、国交省を訪れて文書を受け取った。鳥取社長は会見で、飲酒問題が続発する要因に関し「アルコールへの対応が甘く、リスクの高い人を見逃した」と述べた。今後、乗務前のアルコール自主検査の結果を画像で報告するよう求めるなど、管理強化を検討するとした。

 今回の問題を起こした機長を近く懲戒解雇とする。