家々の屋根が吹き飛び、何十本もの電柱がなぎ倒されていた。突風が襲った静岡県牧之原市の住宅街。発生から1日が過ぎた6日、住民は片付けに追われた。「先が見えない」「これからどうすればいいのか」。停電で冷房が使えない中、疲労がたまり、途方に暮れていた。
朝から強い日差しが照りつけた細江地区。100人を超す住民が、家の庭や玄関前に散乱したガラスや屋根瓦を集めていた。屋根や壁には応急処置としてブルーシートが張られ、市役所は罹災証明を申請する人で混雑していた。
「家を建て替えるしかない」。会社員松下和馬さん(46)が、片付けをしながら嘆いた。2階建ての自宅は屋根の大半が吹き飛ばされ、部屋からは空がのぞく。テレビやマットレスが家の外に飛ばされ、生活できる空間はない。電気も通っておらず、しばらくは車中泊をするしかない。「昨晩は全く眠れなかった」
鍼灸師安田茂さん(63)は「命を守ることだけを考えていた」と発生時を振り返った。院内で昼休み中、雨が激しく降っていた。突然風が強くなり、飛んできた瓦が窓ガラスを突き破った。
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