政府は、日米関税合意の共同声明に明記された「米国製防衛装備品の調達」について「(現行の)防衛力整備計画を超えた装備品の購入を記載したものではない」(林芳正官房長官)と説明した。政府は2025年度予算に戦闘機など米国製装備品の購入のため約1兆円を計上している。トランプ米政権は日本に防衛負担増を求めており、さらなる要求への懸念が続きそうだ。

 林氏は記者会見で「何が日本の防衛力強化にふさわしいのかを第一に考え、購入すべき装備品の具体的な機種や数量を決定する」と強調。防衛省筋は「整備計画という維持すべき一線を守れた」と安堵した。

 政府は22年末に策定した整備計画に、23~27年度の5年間の防衛費を計約43兆円とする方針を明記。装備品はこれに基づいて調達している。

 米国企業から装備品を購入する際は、米政府が窓口となる「対外有償軍事援助(FMS)」制度を用いる。

 FMSによる装備品購入は22年度当初予算で3797億円だったが、整備計画の対象期間に入った23年度は1兆4768億円に急増した。