広島県呉市出身の絵本作家長田真作さん(35)が戦後80年となった今夏、祖父から聞いた呉空襲の体験を基にした絵本「赤い日 じいちゃんの見た戦争」を出版した。長編96ページの作品には、人が亡くなる凄惨な場面もごまかさずに描き「戦争を直視する体験をしてほしい」との思いがこもる。
海軍の拠点・呉軍港があって、戦時中は米軍の襲撃を繰り返し受けた呉市。島根県五十猛村(現大田市)出身で小学校の教員をしていた祖父幸之助さんは、呉の軍需工場に動員され、1945年7月1~2日、市街地空襲に遭った。
幸之助さんが当時の経験を話してくれたのは長田さんが小学生の時だ。学校から出された平和学習の課題がきっかけで、「聞いた時はショックだった」と振り返る。
呉市によると、市街地空襲の民間人犠牲者は1800人以上。長田さんは「あまたの個人にふりそそいだ悪夢として描きたかった」と話す。
絵本の完成後、「受けた衝撃を作品を通じて伝え、継承の一助になれば」と願っている。
汐文社刊、2750円。
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