クマは普段、道路の横断を避けるが、繁殖期の夏は雄が雌を求めてあえて道路を横断していることが分かったと、東京農工大などの研究チームが28日までに発表した。秋には冬眠に備えて食物を得るため、雌雄ともに横断する傾向にあった。クマは道路を危険と認識しているとみられ、人間との遭遇を避けられるよう工夫しつつ、生息地を分断しないように道路を配置する必要があるとしている。
チームは2005~23年、群馬県と栃木県にまたがる山域に生息するツキノワグマ四十数頭にGPS受信機を着け、(1)車が頻繁に通行する2車線以上の主要道路(2)地域住民が使う1車線の生活道路(3)入り口にゲートがあり人の通行を制限する道路―のそれぞれを横断する頻度を調べた。
クマは全ての道路の横断を避ける傾向にあり、夜間より昼間の横断が少なかった。ゲート付き道路を最も頻繁に横切り、生活道路、主要道路の順に頻度が減った。繁殖期の夏は、全ての道路で雄の横断が増えた。秋は冬眠を前に雌雄とも行動範囲が拡大した。
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