【ジュネーブ共同】プラスチックによる環境汚染防止に向けた国際条約作りの政府間交渉委員会が、今回会合での条文案合意の断念を検討していることが15日、交渉関係者への取材で分かった。断念すれば韓国での前回会合に続き2回目の先送りとなる。14日までだった会期を延長し、15日にはバジャス議長(エクアドル)が新たな修正案を示して調整を続けたが、生産規制などを巡って溝が埋まらなかった。

 修正案は前文で「現状のプラスチックの生産と消費は廃棄物の管理能力を超え、今後も増加が見込まれることから、地球規模の対応が求められている」とし、焦点となっている生産段階からの対応の必要性をにじませた。ただ13日に議長が示した条文案と同様、原料の石油を産出する中東諸国やロシアが反対した生産規制に直接言及する条項は含まれていない。

 一方、厳格な規制を求めて反発していた欧州連合(EU)や島しょ国などに配慮し、13日の議長案では盛り込まれなかった人体に有害な化学物質を規制する要素などを入れてバランスを取った。