三代でコンニャク芋栽培

 低カロリーで食物繊維を豊富に含んでいることから、整腸作用や便秘解消だけでなく、生活習慣病の予防・改善にも役立つ健康食材として有名な「こんにゃく」。あまり知られていませんが、こんにゃくの原料はコンニャク芋と呼ばれるサトイモ科の植物で、地上に一枚葉を出すだけの珍しい姿をしています。コンニャク芋を植えると着生(ちゃくせい)する「生子(きご)」(※1)と呼ばれる分枝を種芋として、毎年植え換え、3年ほどかけて大きくして収穫します。

 コンニャク芋栽培は群馬県が盛んですが、園芸用土で有名な鹿沼市でも盛んに行われています。「JAかみつがこんにゃく部」に所属する20の農家が「みやままさり」(※2)という品種を主に栽培しています。鹿沼市北西部に位置する西大芦地区、澄んだ水が流れる大芦川近くのほ場で、三代にわたってコンニャク芋栽培を行っているのが福田光男さんです。

 福田さん宅では、毎年5月頃に種芋を植え、地上部の茎や葉が枯れあがる11〜12月頃に大きくなったコンニャク芋を掘り起こします。とてもデリケートな作物で、強い日差しや強風、乾燥に弱く「根腐病」にも気をつけます。福田さんは、「三年生のコンニャク芋はカボチャよりも大きくなるので収穫作業は重労働ですし、毎年植え付け前に行う土壌消毒も大変」といいます。

こんにゃく本来の味を普及

 コンニャク芋には「シュウ酸カルシウム」(※3)が含まれているため、アク抜きが必要です。なじみのあるこんにゃくになるまでには、いくつかの工程を経なければなりません。収穫されたコンニャク芋は、大部分が業者に出荷、製粉され、こんにゃくへと加工されます。

 福田さんは、「こんにゃく本来の味を多くの人に知ってもらいたい」と、手作りした糸こんにゃくをポン酢で食べたり、パスタ風にしたり、薄く切ってピザの具材をのせて焼いたりと、オリジナル料理の開発・普及にも積極的です。実際に食べた人からは「こんにゃくの概念が変わった」「市販のこんにゃくとぜんぜんちがう」と大好評。「これからもおいしいコンニャク芋を育て、こんにゃくの新しい食べ方の提案をしていきたい」と抱負を語りました。

 今回の読者プレゼントのコンニャク芋には、手作りこんにゃくの作り方と福田さん考案のレシピも同封されます。市販のものとはひと味もふた味もちがう、手作りこんにゃくにぜひ挑戦してみてください。記事に関するお問い合わせは、JAかみつが くらしの活動課 ☎0289・65・1012まで。

雑学事典

【生子】(※1)コンニャク芋を収穫すると周りにできるコンニャク芋の赤ちゃん。これを冬の間乾燥・保管し、翌年春に植え11月に収穫したものを「一年生」といいます。これを繰り返し芋を大きくし三年生で出荷します。

【みやままさり】(※2)在来品種に赤城大玉をかけあわせた品種。赤城大玉に比べ球状生子で機械化に適し、病気にも強いという特徴があります。少し柔らかくなめらかな食感です。

【シュウ酸カルシウム】(※3)コンニャク芋はシュウ酸カルシウムを蓄積する性質をもっており、素手で触るとかぶれ、痛みやかゆみを伴います。こんにゃくを手作りする際は、必ずゴム手袋を着用してください。