収穫を待つハウスのシャインマスカット
収穫を待つハウスのシャインマスカット

父のノートと仲間の協力が支えに

 爽やかな甘さが魅力の、夏を代表する緑の高級果物「シャインマスカット」が栃木市岩舟町で今年もおいしく実っています。JAしもつけ、岩舟町ぶどう出荷生産組合所属の富山悦宏(とみやま・えつひろ)さん(36)宅のブドウ畑でも立派なシャインマスカットの収穫・出荷が始まっています。

 富山さん宅は祖父の代から続くブドウ農家。富山さんは2年前に亡き父の40アールのブドウ畑を引き継ぎ、現在、母と2人でシャインマスカットの他に、「クイーンニーナ」、種あり・種なしの巨峰を露地、雨よけハウス、ハウスの3形態で栽培しています。

 「いずれ農家を継ぐことは考えていましたが父が急逝して不安のなかでの就農でした」と話す富山さん。支えになったのは、父が残してくれた栽培記録と組合の先輩や同年代のブドウ農家の協力だったといいます。

富山 悦宏さん
富山 悦宏さん

 去年は1カ所で病気が出てしまいましたが、今年はその反省からとりわけ病気と日焼け対策を徹底。本格就農2年の今年はそのかいあって順調に生育したそうです。

おいしさと効率化の両立を目指す

 「365日、頭には常にブドウのことがあります」と話す富山さん。気温が上がったり急に雨が降ったりしそうな時はすぐ現地に向かいます。しかし、そんな苦労も「甘くておいしい」という声を聞くと逆にモチベーションにつながるそうです。そんな富山さんがこだわっているのは肥料。ブドウの品種や栽培形態に応じて肥料の配合を調整しています。また、近年は猛暑やゲリラ豪雨の影響もあるので房には念入りに包果紙をかぶせ強い日差しや雨からブドウを守っています。

 そんな富山さんが栽培したシャインマスカットはJAしもつけを通して宇都宮をはじめ、首都圏や東北へ出荷されます。富山さんが栽培しているブドウは例年9月いっぱいまで楽しめるそうです。比較的日持ちするシャインマスカットは「房についた状態で冷蔵庫に入れれば2〜3週間はおいしくいただける」そうで、生食以外にも「紫色の巨峰と一緒にフルーツサンドにするのもおすすめです」と教えてくれました。

最後に余分な粒を取り除き房を整える富山さん
最後に余分な粒を取り除き房を整える富山さん

 ご家族と食べても、贈答用でも喜ばれるシャインマスカット。今年の夏はJAしもつけのシャインマスカットで夏を満喫してはいかがでしょうか。

 お問い合わせは、JAしもつけ南部アグリサポートセンター☎0282・43・0800。