きめが細かくて柔らかく、風味が豊かな「とちぎ和牛」は、本県が全国に誇るブランド牛です。1988(昭和63)年に銘柄牛として命名され、2004(平成16)年に商標登録されました。09年(平成21)年には全国肉用牛枝肉共励会で第1位を獲得し、一躍その名を全国にとどろかせました。その後も全国の品評会でたびたび最高位賞を受賞するなど、とちぎ和牛は栃木県のリーディングブランドとして全国に広く知られています。

 とちぎ和牛は牛の種類を指すのではなく、厳しい基準をクリアした枝肉だけに与えられる認定ブランド名です。その基準は(1)指定された生産者により肥育された黒毛和牛(2)枝肉格付けがA・Bの4等級以上(3)肥育後期に米を添加した飼料を与えられたもの−と厳しく定められています。

▽年間約3千頭認定

 現在、約220人の指定生産者が飼養している牛の中から、とちぎ和牛に認定されるのは年間約3千頭とわずかです。さらにその中から、より厳しい基準の「牛脂肪交雑基準(BMS)10以上(A等級のみ)」に格付けされた枝肉がプレミアムブランド「匠」と認定されます。匠を名乗れるのはとちぎ和牛の中の約10%ほどで大変貴重です。このような高いハードルを、生産者はたゆまぬ努力によってクリアし、ブランド価値を高めてきました。

 指定生産者でJAグループ栃木和牛販促委員会の松本一男(まつもとかずお)会長(53)=小山市大本=は大学卒業後約30年、肥育農家として取り組んできました。現在は約300頭を肥育しています。松本会長の牛舎では広めのスペースで牛がストレスなくゆったりと育っています。「しっかり食べて、のんびりとたくさん寝てもらえる環境を整えることが大切です。後は牛がやってくれます」と穏やかな表情をみせます。

▽ブランド力年々向上

 長年、生産者としてとちぎ和牛ブランドの成長を見てきた松本会長は「ブランド力は年々上がってきていて、東京をはじめとする市場関係者の間では広く知られています。今後はいかに消費者の皆さんに『とちぎ和牛』と意識して食べていただけるかという部分が大切になってくると思います」と展望します。また、とちぎ和牛は国内にとどまらず、香港、米国に加えシンガポールなどに輸出されています。松本会長が育てた牛も海外に渡っています。

 昨年は県が地域活性化を狙い、とちぎ和牛の購入、飲食が割引きになるプレミアム付き「とちぎ和牛」商品券を販売しました。松本会長は「商品券の反響から、とちぎ和牛を新たに取り扱ってくれるお店もあったようです。『初めてとちぎ和牛を知りました』という声も聞こえてきました。生産者としては地元の皆さんにたくさん食べてもらえるというのはうれしいものです。今後もより多くの地元の皆さんにとちぎ和牛を味わっていただければ…」と期待を寄せていました。


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • 本県の産出額

    本県は肉牛産出額約187億円で全国8位(平成25年)。首都圏最大の肉牛肥育の産地として知られている。

  • 本県の銘柄牛

    黒毛和種(和牛)の銘柄牛としては、「とちぎ和牛」のほか、「とちぎ高原和牛」「那須和牛」「おやま和牛」「かぬま和牛」などがある。乳用種の雌に黒毛和種の雄を交配して生産された交雑種には「とちぎ霧降高原牛」「日光高原牛」などがある。

  • 牛肉パスポート

    「とちぎ和牛」「とちぎ高原和牛」「とちぎ霧降高原牛」「日光高原牛」の指定生産者が生産した枝肉には、個体識別番号、生産地・品種・性別・飼養期間・給与飼料などを掲載した「牛肉パスポート」を発行している。


次代を担う/JAうつのみや/
グリーンアスパラガス専門部研究グループリーダー/
半田貴也(はんだたかや)さん(38)/妻と二人三脚で挑戦

 30歳を機に、トラクターもハウスもない状況から一念発起し農業を始めました。就農して8年。アスパラガスからスタートし、当時は農閑期にはアルバイトに出ていましたが、徐々に規模を拡大し、現在はアスパラガスに加え、長ネギ、夏秋トマト、キャベツなどを作り、周年で野菜を出荷できるようになりました。

 就農当初から妻友理(ゆり)と二人三脚でやってきました。就農に当たり10カ月間、先輩農家のもとで勉強をさせていただき、就農後もアスパラ部会の方々をはじめ、多くの人にたくさんの事を教わりながらきょうまで来ることができました。本来、競争相手である同業者にもいろいろなアドバイスをくれる温かさが、農業にはあります。

 主力のアスパラガスは土壌づくりなどに力を入れ、甘さと深みのある味にこだわっています。近隣の小学校の学校給食にもアスパラガスをはじめキャベツなどの食材を提供しています。地域の子どもたちに自慢の野菜を食べてもらえる喜びを感じています。将来は「野菜狩り」ができる観光農園にも挑戦し、多くの人に農業に関心を持ってもらいたいと思っています。


ようこそJAへ/JAうつのみや/品種ごとの違いを楽しんで

 JAうつのみやでは昨年より管内産米3種をセットにした「お米たべくらべ」セットをJA各直売所で販売しています。家庭での食べ比べを通じて、普段食べている米について品種や栽培方法によって食味が違うことを感じてもらい、米に対する親しみをもってもらうことを目的としています。

 同セットの内容は、管内で生産されたコシヒカリを食味計で厳選した良品質のブランド米「みやおとめ」、化学肥料と農薬使用を低減した「特別栽培米コシヒカリ」、「なすひかり」の3種です。各2パック(1パック300グラム入り)の計6パックと各品種の説明や美味しい炊き方が書かれたパンフレットが同封されて1500円(税込)です。また「みやおとめ」と特別栽培米コシヒカリ各900グラムの計2パック入り1400円(税込)のセットも取り扱っています。

 取り扱いは、JAグリーンふれあい、JAグリーンインターパーク、JAグリーンかみかわちまで。

 お問い合わせ先は営農部米麦課電話028・625・3388までお願いします。