厳しい残暑が続く県内。こんなときは、優しく水分を補給できるフルーツがお薦めです。今まさに旬を迎えているブドウは、栃木市大平町、同市岩舟町などの県南部を中心に県内では約260ヘクタールで栽培され、大平町には大規模なぶどう団地も形成されています。

 「大平のブドウは甘さが豊かでみずみずしいのが特徴です。『ここのブドウが一番おいしい』と、何度も足を運んでくださるお客さまもいらっしゃいます」。JAしもつけの大平町ぶどう組合副組合長の松本和宏(まつもとかずひろ)さん(47)=栃木市大平町西山田、松本ぶどう園=は、手塩にかけたブドウを手に笑みがこぼれます。

▽栽培に適した土地

 旧大平町でブドウ栽培が始まったのは明治末ごろ。関東ローム層の水はけの良い土壌と年間晴天率の高さ、温暖な気候などの環境条件が栽培に適したとみられます。1973年には多数の農家が集まり、観光農園の規模としては北関東最大級といわれる「大平町ぶどう団地」が完成しました。

 同組合では、露地栽培のほか、ビニールハウスや屋根部分のみにビニールを掛ける「雨よけ」など多様な栽培方法と適切な温度管理で、収穫時期をずらすことによって多彩な品種の栽培と長期的な出荷を可能にしています。また、ほとんどの生産者が団地内の観光ぶどう園で直売を行っており、6月上旬から10月上旬まで、新鮮なブドウが購入できる観光名所としても定着しています。さらに、県内はもとより東京や東北地方にも出荷され、高い評価を受けています。

▽多彩な品種を生産

 松本さんも露地、ハウス、雨よけの栽培方法で、巨峰やシャインマスカット、ハニービーナス、ピオーネなど20種類以上を栽培しています。松本さんは「いつでもおいしいブドウをお届けしたいと考え、多品種にこだわっています」と話します。

 ことしは順調に育っているブドウですが、昨年は2月の大雪で倒壊するハウスが相次ぎ、多くのブドウ農家が被害を受けました。ハウスの再建は進んでいますが、ブドウの木自体が被害を受けたものもあり、完全に元の状態に戻るには10年以上かかるともいわれています。「昨年は収量も大きく落ちました。それだけに、ことしこそはお客さまに喜んでいただければ…」と、松本さんは期待を込めてブドウの成長を見守っています。

 大地と太陽の恵みと生産者の愛情を一身に受け熟したブドウ。口に含むと弾力のある食感とともに、さわやかな甘みとみずみずしさが広がり、暑さも一瞬和らいだように感じました。


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • おいしいブドウの見分け方

    粒につやがあり、張りのよいもの、つるの青いものが新鮮。表皮に付いている白い粉は、農薬ではなく「ブルーム」と呼ばれる果粉。ブドウ自身の水分を保護し、新鮮さを保つ働きがあるため、このブルームがたくさん付いているものを選ぶ。

  • 巨峰とシャインマスカット

    巨峰は石原早生とセンテニアルを交配させた日本原産の品種で1945年に発表され、55年に商標登録された。ほかの種類と比べて実が大きいことから「ブドウの王様」とも呼ばれる。シャインマスカットは2006年に品種登録されたばかりのまだ新しい品種の白ブドウ。マスカットの香りと高い糖度、そして何よりも皮ごと食べられるという特徴がある。

次代を担う/JAはが野にら部会/青壮年部部長/
野沢知良(のざわともよし)さん(48)/交流深め 産地もり立て

 本年度創設された、JAはが野にら部会青壮年部の初代部長を務めています。この地区は県内でも比較的早くからにら栽培が始まり、産地としての歴史があります。父親ら先輩たちが築いてきた産地としての力を、若手や新たににら栽培を始めた方々とともに、活発な活動を通してもり立てたいと考えています。

 農業短大卒業後、21歳で就農し、父の背中を見てにら作りを学びました。特に自分が力を入れているのは土づくりです。近所の畜産農家の協力を得て、自分でたい肥を作っています。土づくりは何年もかかる地道な作業ですが、確実に結果が出ます。この土のおかげで、他の方と比べて約2倍の収量があり、さらに、にらが元気に育つので、必要以上に農薬などが要らず、コスト削減にもつながっています。

 自分もまだまだ日々学ぶことばかりですが、これまでの経験や技術を、青壮年部の活動を通じて多くの仲間に伝えていきたいと考えています。そして自分にとっても愛着のあるこの産地が、より成長していければと願っています。


ようこそJAへ/JAはが野/よりすてきな女性を目指して

 豊かで暮らしやすい地域社会の実現を目指すJAはが野では、管内に住む女性を対象に「女性大学」を開校しています。この講座は、文化や福祉、教育に関する学習を通じて教養を深めるとともに、地域の仲間作りを目的としています。

 2004年10月から開校し、現在は11期生が受講中です。年間10回の講義があり、アクセサリー作りや料理教室、自分に似合う色を判定するカラーコーディネートやライフプランの設計など、内容はさまざまです。

 講義の8割以上に出席した学生には学長(代表理事組合長)から修了証が手渡されます。1年目の基本コースを修了した後、希望者は大学院に進むこともでき、さらに専門的な知識を身につけることができます。

 9月以降には12期生の募集が始まります。JA管内(真岡市、益子町、茂木町、市貝町、芳賀町)に在住か、勤務している20歳以上の女性なら誰でも申し込みできます。あなたも仲間と楽しく学びながら、女性としての輝きに磨きをかけてみませんか。お問い合わせは、JAはが野総合企画部電話0285・83・7720まで。

[写真説明]「豊かな甘さとみずみずしさが自慢のブドウです」と話す松本さん

[写真説明]松本さんの育てた巨峰(右)とシャインマスカット

[写真説明]野沢知良さん