脱サラしてイチゴ農家へ 初出荷目前に控え手応え

 佐野市の南、大古屋町で今年からイチゴ栽培を始めた農家がいます。JA佐野いちご部会に所属する岡本いちご園の岡本広太さんです。

 岡本さんの前職は、農業用資材メーカー。最初は漠然と「社長になって自ら経営したい」と思ったのが就農のきっかけだったそうです。その後、商工会議所などで開催している創業・起業塾などで構想を温め、前職の経験も生かせる農業の道へ。県の農業振興公社に相談後、JA佐野や佐野市などとも連携。1年間の研修を経て、この春から岡本いちご園の経営をスタートさせました。

妻と2人で毎日、1苗ごと葉かきを行う
妻と2人で毎日、1苗ごと葉かきを行う

 イチゴ栽培を選んだのは、家族経営ができて年をとっても働けることが決め手。2019年の台風19号で被害を受け離農した前の所有者からハウスと設備を譲ってもらい、前職の経験も生かし自ら改修。最先端の設備も導入し環境制御が行えるハウスにしました。岡本さんのハウスでは、粉砕した杉の皮を用いた培地「クリプトモス」で高設栽培されたイチゴの苗が整然と並んでいます。

今季初出荷に向けて準備を進める岡本さん
今季初出荷に向けて準備を進める岡本さん

 栽培するイチゴは「とちあいか」。11月末から収穫・出荷が始まり、今季の目標出荷量は7・5㌧です。今のところ病気もなく、生育は順調ですが、毎日の温度管理などは気が抜けません。「これから80歳を過ぎてもおいしいイチゴを作り続けられるよう頑張ります」と抱負を語りました。