永田 友紀さん(39歳)
永田 友紀さん(39歳)

ブランドトマトで単収アップも目指す

 栃木県ではイチゴをはじめ、多くの農産物が収穫・出荷されていますが、令和3年度の農林水産省の統計によると県産の冬春トマトの出荷量は2万4900㌧で全国3位を誇ります。冬場の日照時間が長く、かねてからトマト栽培がさかんな県南地域、栃木市もその一つです。

 JAしもつけトマト部会栃木支部に所属する永田友紀さんは、就農歴10年になるトマト農家。現在、両親と11人の従業員でトマトの土耕栽培をしており、栽培面積は94㌃を誇ります。5年前にハウスを高軒高(こうのきだか)のものに変え、併せて機械化を推進。以前は「マイロック」という品種を栽培していましたが、現在は秀品率(全体収量の中で良品が占める割合)が高く病気に強い「かれん」に切り替え、10㌃あたり30㌧という収穫目標も達成しました。

 トマトは栽培・収穫期間が長いため、毎日、気温や湿度などを把握し、天気にも気を配りながら常に最適な環境を整えます。永田さんは「数値だけでなく、実際に土を触って水分量などを確認しながら水や肥料の管理を行っています。日々の細かい作業が大きく影響するので、赤くハリのあるトマトができるとうれしいです」とやりがいを口にします。

「赤い恋人」の名がピッタリのトマト
「赤い恋人」の名がピッタリのトマト

妥協せず、味・収量にこだわる

 ハウス栽培にとって病気の発生は深刻な問題。その原因となるのが湿気です。特に冬場は急に温度を上げるとトマトに結露が生じるため、永田さんのハウスでは未明から徐々に温度を上げるなどの工夫をしています。昨今の燃料費高騰の影響は大きかったそうですが、おいしいトマトを作るため苦労は惜しみません。

 そうしたかいもあって「今季も自信をもって出せるトマトができました」と話す永田さんのトマトは、JAしもつけを通じて「赤い恋人」として東京や宇都宮の市場に出荷されます。食べ方は、生食はもちろん、スープやカレーに入れるのもお勧めだそうです。

高所作業台で誘引作業を行う永田さん
高所作業台で誘引作業を行う永田さん

 「今後も新しい技術や設備などを導入し、毎年500㌘でも1㌔㌘でも収量を更新していきたい」と熱意を語る永田さん。もう一つ、「生まれたばかりの子どもが大きくなって『おいしい』と食べてくれるようなトマトを作りたい」という思いも語ってくれました。

 JAしもつけが誇るブランドトマト「赤い恋人」、ぜひこの機会に召し上がってみてください。

 お問い合わせはJAしもつけ営農経済部園芸販売課☎0282・20・8828へ。