夫婦でゼロから出発 愛情、若さいっぱいナス農家

 青空の下、ナス畑で汗を流す菊地雄大さん、絵梨香(えりか)さん夫婦。都内に住んでいた二人は約3年前、全くの未経験ながら真岡市さくらでの就農を決意しました。今夏2年目の収穫期を迎え、二人は「『若いのに偉いね』と多くの方が声を掛けてくれる。東京にない温かさに励まされます」と瞳を輝かせます。

 京都府出身の雄大さん、同市出身の絵梨香さんは共に農業とは無縁の家庭で育ち、前職も異業種。きっかけは絵梨香さんの里帰り出産でした。同時期に新型コロナウイルス感染症が全国に拡大し、都内での子育てに不安を感じ奮起。ナス農家の知人を頼りに就農を目指しました。

 JAはが野に相談し、紹介された先輩農家や知り合いを訪ね、約1年かけてノウハウを習得。絵梨香さんの祖母が家庭菜園で使っていた土地で栽培を始めました。

 

 畑の広さは18アール。千両2号という長卵形で黒光りが美しく、煮ても焼いても食味が良い品種を育てています。昨年は長雨で収穫に影響が出ましたが、今年はよりきれいな色形で収穫量も増える予想。JAはが野の担当者も「真面目な姿勢が素晴らしい」と太鼓判です。

 「大変だけれど、収穫量を増やしていきたい」と雄大さん。「何より夫婦の会話が増えてうれしい」と絵梨香さん。夫婦で愛情いっぱいに今日もナスと向き合います。