日に日に暑さが厳しさを増す季節。本格的な夏はもう目の前です。猛暑が予想されるこの夏は、夏バテも心配。そんな時、強い味方になってくれるのがキュウリです。
ほとんどが水分でできているキュウリは、食べることで体を冷やしてくれ、水分補給にもなる、優れものの野菜です。近年は通年で収穫されるキュウリですが、特に夏の太陽の光をたっぷり浴びて育つ露地栽培は、キュウリならではの青臭さと香りが漂い、代表的な夏野菜として親しまれています。
▽豊富なビタミン
栄養素としてはカリウムやビタミンAを豊富に含みます。その他、ビタミンC、Kなどのビタミン類や亜鉛、マグネシウムなどのミネラル類も、バランスよく含んでいます。カリウムを多く含み、水分も豊富なので利尿作用を高め、二日酔いや手足のむくみの解消にも良いといわれています。
本県ではさまざまな作型で生産され、一年中出荷されています。主な産地は冬春作型は下野市、小山市、佐野市、夏秋作型は小山市、宇都宮市、上三川町などで、ほぼ県内全域で生産され、県内はもとより京浜方面などに出荷されています。
20年ほど前からキュウリ栽培に携わっているJAなす南の阿久津功(あくつつとむ)さん(65)=那珂川町久那瀬=は「これからの季節のキュウリは、みずみずしさと香りが楽しめます。暑い夏にはぴったりの野菜なので、ぜひ地元のキュウリを味わってみてください」とアピールします。
阿久津さんは45年前、カーネーションなどを栽培する花卉(かき)農家として就農しましたが、20年ほど前に大雪でハウスが倒壊してしまいました。何とかほどなくしてハウスは再建できましたが、花卉の季節を逃してしまい、その時、周囲の勧めで始めたのがハウスを使ったキュウリの抑制栽培で、現在は露地栽培も行っています。
▽よく観察し手入れ

現在もJAなす南の花卉部会の部会長を務めながら、キュウリを栽培している阿久津さんは「花もキュウリも同じですが、まずはその物の状態をよく観察して手入れをすることが、よい作物を作る上で重要です。キュウリは病気や害虫に弱いので、素早く見つけ対応することが本当に大切です」と力を込めます。
おいしいキュウリは、重みがあって全体にハリがあり、表面の緑色が濃いものが良いといわれています。最近ではイボのない品種もありますが、イボがあるものはゴツゴツととがっているものが新鮮です。「地元産のキュウリを多くの皆さんに食べていただけるように、おいしいキュウリを作っていきます」と阿久津さん。猛暑を乗り切るために、県内生産者が丹精したキュウリを、ぜひ手に取ってみてください。
◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇
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キュウリの歴史
原産地はヒマラヤ山脈近辺で、インドでは約3千年前から栽培され、日本には中国を経由して平安時代に渡来したが、栽培が盛んになったのは明治時代以降になってから。 -
キュウリの種類
大別すると白いぼキュウリと黒いぼキュウリがあり、日本で栽培されているものの多くは白いぼキュウリ。またブルーム(表皮につく細かい白い粉)のあるタイプとないタイプがある。 -
おいしいキュウリの選び方
皮の色が鮮やかな緑色で、全体的にツヤとハリがあるものがお勧め。太さが均一で、おしりの部分がフカフカしていないものが良い。保存する際には冷やしすぎに注意。密封せずにポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に入れておくのが良い。
次代を担う/JAはが野/
柳未来(やなぎみき)さん(24)恭子(きょうこ)さん(22)/
姉妹で力合わせ営農

姉・未来さんの話(写真右) 農家の二人姉妹の長女で、小さなころから手伝いを通して農業の楽しさを感じていたので、いつかは後を継ごうと思っていました。一昨年冬に父が腰を痛めたので、家を助けたいと思い会社を辞め、昨年4月に就農しました。
両親は水稲育苗とトウモロコシ、レタスを作っています。就農するに当たり、親とは違うことに挑戦しようと考え、一緒に就農した妹と2人で、アスパラガスを始めることにしました。
アスパラ農家の先輩方や若手の仲間たちに助けられながら、今年4月からハウス5棟17アールでアスパラガスを始めました。困ったことがあると、皆さん飛んできて教えてくれます。まだ収穫には至っていませんが、会社勤めとはまた違った充実感を感じながら日々を過ごしています。今はまだ収入面をはじめ両親に頼っている部分が大きいので、早くしっかりとした収量を上げ、独立した経営にすることが目標です。
妹・恭子さんの話(写真左) 小さなころから両親の仕事を手伝うのが好きでした。姉が就農すると聞き、「自分も一緒に農業をやりたい」と考え、勤めを辞め就農しました。
姉と2人で試行錯誤を繰り返し、時には口げんかをしたりしながらも、とても楽しい毎日を過ごしています。姉とともに県の農業女子プロジェクトにも参加しています。2人で「これからどんな新しいことをしようか」と考えるとわくわくしてきます。
JAはが野では、2016年度に策定した3か年計画で「地域の活性化」を掲げ、組合員・地域住民にJA事業とJAくらしの活動を積極的に展開しています。くらしの活動の一環として、ハイキングや書道、絵手紙教室など65の「趣味の会」を実施しています。
10月5日には「組合員ふれあいゴルフコンペ」を管内で開催します。組合員同士がゴルフを通じ親睦を深めることを目的に、2001年から始まり今年で16回目。毎年多くの組合員が参加を楽しみにしています。
当JAに出資している組合員が対象で、定員は300人。広報誌や、各支店にポスターを掲示して参加者を募ります。 募集期間は、7月29日~8月26日。定員になり次第終了となります。問い合わせは、各支店窓口まで。
真岡支店電話0285・84・6611
二宮支店電話0285・74・0020
益子支店電話0285・72・3246
茂木支店電話0285・63・1105
市貝支店電話0285・68・1311
芳賀支店電話028・677・0080