冬の寒さを越え、おいしさを蓄えた春トマトが旬を迎えています。トマトは夏が旬のイメージが強いですが、ハウス栽培でじっくり育った春トマトは栄養が豊富な上、年間で一番甘みが強いともいわれとても人気があります。サラダで食べると、そのおいしさがいっそう伝わってきます。

 県内有数のトマト出荷量を誇るJAうつのみや。管内では越冬(収穫時期、10月~翌年6月)、春(同、1月~7月)、半促(同、5月~7月)、夏秋(同、6月~8月)、抑制(同、9月~12月)の五つの作型でトマトが生産されていて、年間を通じて出荷できる体制が整えられています。これまで作型別に専門部が組織されていましたが、今年からトマト専門部に一本化され、生産者はより一致団結し年間出荷に力を入れています。専門部長を務める篠原弘一(しのはらこういち)さん(54)=宇都宮市大谷町=は「一年を通じてお客さまに、JAうつのみやのトマトをおいしく届けられるように、生産者一同力を合わせています」と話します。

▽観察眼で収量安定

 年間を通じて出荷のあるJAうつのみやのトマトですが、多くの生産者が取り組んでいるのが、今が旬の春トマトです。春トマト栽培歴25年の篠原さんは「トマトはそれぞれの季節ごとに味わいがありますが、じっくりと育った春トマトは、甘さと酸味のバランスがとれていてお薦めです」と力を込めます。

 春トマトは、収穫が終了すると翌年に向けて土づくりを行います。10月中旬ごろから苗を定植し、1月中旬から6月下旬ごろまで出荷が続きます。冬場はボイラーを使って加温するなど温度管理も重要になってきます。篠原さんのハウスでは「桃太郎はるか」という品種のトマトを栽培しています。「温度管理はもちろん、それと同じく大切なのが水やりです。ここは乾く土地なので、厳寒期でも安定的な水やりが大切だと分かってきました。栽培歴25年といってもまだまだ勉強の毎日です」と篠原さん。日々、トマトを観察する目が、安定した収量確保につながっています。

▽天災に負けず生産

 近年は天候不順などで生産者の苦労は絶えません。篠原さんは「大雪、大雨などの天災も続き、多くのトマト農家が打撃を受けました。また、最近は今までに経験したことがない天候不順もあり、栽培に難しさもあります。それでも生産者はくじけず頑張ってきました」と胸を張ります。

 本県のトマトは、ハウスなどの施設を中心に生産されていて、年間収穫量(2014年)全国6位で、宇都宮市、小山市、大田原市、足利市を中心に県内全域で生産されています。篠原さんは「地元産は県外と比較して、圧倒的に短時間で収穫後、店頭に並びます。それだけ新鮮ということです。JAうつのみやのトマトをはじめ、県内にはおいしいトマトがそろっているので、ぜひ地元産のトマトを手に取ってください」と地産地消を呼び掛けていました


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • トマトの選び方

    真っ赤に熟しているものほど栄養価が高くおいしい。皮に色ムラがなくツヤとハリがあるものが良く、ヘタの緑色が濃くピンとしているものが新鮮だ。

  • トマトの種類

    トマトは種類が豊富な野菜としても知られる。糖度を増した高級トマトをはじめ、栽培方法の多様化によりいろいろな味を楽しめるようになった。生食用のトマトのほかにも、味が濃厚な加熱調理向きのトマトなどもあり、料理によって使い分けるのがお薦め。

  • トマトの歴史

    日本に伝わったのは17世紀半ばといわれ、当初は観賞用として珍重されていたようだ。食用になったのは明治以降でキャベツやタマネギなどの西洋野菜とともに、あらためて欧米から導入された。


次代を担う/JAなす南/
川上智之(かわかみともゆき)さん(39)/一念発起 脱サラし就農

 2年前に会社を退職し、県が行っている「とちぎ農業未来塾」で1年かけ基礎的な農業経営や栽培技術を学んだ後、就農しました。現在は通年でネギを栽培しています。

 農家に婿入りしていましたし、実家も農家だったので、農業はごくごく身近には感じていました。ただ当初は「定年したら農業を始めよう」と考えていましたが、新規就農支援制度や農業を取り巻く環境を考えたとき、「今が一番良いタイミングなのでは…」と考えるようになり、一念発起し脱サラしました。

 実際に就農してみて分かったことですが、自分はものを作ることが性に合っているようです。一から十まで自分の責任で農作物を作ることに、とてもやりがいを感じます。また、3人の子どもたちと過ごす時間が増えたことも、本当にうれしい事です。以前の平日は、朝ほんの少し顔が見られるぐらいでしたから

まだまだ経験不足ですので、当面の目標はしっかりと経営を軌道に乗せることです。出荷の規格に合ったネギをより多く作れるように、勉強の毎日です

ようこそJAへ/JAなす南/100歳プロジェクトの取り組み

 JAなす南は、「健康寿命100歳プロジェクト」に力を入れています。これは、100歳まで健康で、自立した生活を送れる身体と心の健康づくりを目的としています。この一環として当JAでは、ミニデイサービスやウオーキング大会を実施しています。

 ミニデイサービスは、JAと高齢者ボランティアグループ「ひまわり会」が協力し、2年前から取り組んでいます。元気な高齢者を対象に、JAのデイサービスセンターを利用して年1回行っています。昨年12月には、手先を細かく使いクリスマスリースを作りました。

 毎年10月に開催するウオーキング大会は、今年で5年目を迎えます。約120人の地域住民の方を募集し、毎回コースを変えて実施しています。昨年は那珂川町馬頭地区を巡るコースで、自然を満喫しながらゴールを目指しました。ゴール後には抽選会や豚汁などを用意し、最後まで楽しんでいただきました。参加費用は無料で、今年は9月頃から参加者を募る予定です。仲間づくり、健康な身体づくりを目指してぜひご参加ください。