「スタミナ野菜」の代表格のニラは、カルシウムやカリウム、鉄分などを豊富に含み、食べると体が温まり、精が付くとされています。ギョーザや鍋などの家庭料理はもちろん、中華料理や韓国料理にも欠かせない食材といえます。県内では、冬ニラ、夏ニラの二つの作型で通年出荷されていますが、特にこの時季のニラは肉厚で、甘さ、香りも格別です。

▽生産技術向上に一丸

 本県のニラは年間生産量約1万900トンで、高知県に次いで全国2位(2012年)です。かつて本県は生産量で日本一を誇っていましたが、生産者の高齢化や後継者不足などで徐々に栽培面積、出荷量が減少しており、06年以降は高知県にトップの座を奪われています。このため、JA全農とちぎ、とちぎ農産物マーケティング協会、県は12年度から「ナンバーワン産地奪回運動」を展開中。生産技術向上、販売促進、担い手育成を重点ポイントとして各種対策を実施しています。

 「産地を維持、発展させていくためには、常に品質アップに努めなければなりません。たとえベテランであっても、年2回の目ぞろえ会や現地検討会を通して生産や出荷の基本を再確認する必要があります」。JAうつのみや「にら専門部」の部長を務める池田順一(いけだじゅんいち)さん(65)=宇都宮市上田町=は、自らに言い聞かせるように話しました。

 池田さんのキャリアは約25年。米の価格が下がったのを契機に、妻の祥子(よしこ)さん(62)と二人三脚でゼロからニラ作りをスタートさせたそうです。ニラの場合、品種によって生育の低下、停止時期が異なるという難しさがあり、ハウスにビニールを掛けない夏場は雑草対策に追われますが、「これまで夢中でやってきたので、苦労と感じる暇もなかったですね」と穏やかに笑います。

▽ブランド化にも意欲

 同専門部は五つの支部と研究部で構成され、部員は約160人。研究部は現在、冬場のビニールハウスの温度を下げないようにする設備「ウオーターカーテン」について熱心に研究を進めています。また、消費拡大を図るため、ニラの花茎部分を「花ニラ」として7月上旬~9月上旬に夏季限定で出荷したり、生産者による試食宣伝活動にも力を入れているそうです。

 県内では、JAなすのの「那須のにら」など産地名を前面に出したブランド化の動きもあり、池田さんは「良い刺激になっています。将来的には、ぜひJAうつのみやでもブランド化を実現したいですね」と意欲的です。

 こうした県内各JAの熱意あふれる取り組みが、「ナンバーワン産地奪回」の大きな原動力になることは間違いありません。

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • ニラの歴史

    中国西部が原産地とみられる。日本でも古くから栽培されており、「古事記」には「加美良(かみら)」、「万葉集」には「久々美良(くくみら)」との記載があり、これらがなまって「にら」と俗称されるようになったと言われる。
    栃木県では、冬季の労力活用と安定した収入確保を目的として、昭和40年代初期に鹿沼地方に導入され、その後、水田転作作物としての導入や、緑黄色野菜の消費拡大と相まって県内各地に産地が形成されたとされる。

  • おいしいニラの選び方

    (1)葉先までピンとしていてハリがある(2)葉が濃い緑色で肉厚(3)茎の部分に弾力性がある(4)手で持った時にあまりしならない−などを目安に選ぶ。

 

次代を担う/JA足利トマト部青年会会長/
稲毛孝生(いねがたかお)さん(41)/
若さ結集「食卓に笑顔を」

 昨年9月からトマト部の後継者でつくる青年会の会長を務めています。就任時には、基本テーマである「家庭の食卓に笑顔と愛を」の実現に向け、「より高品質でおいしいトマトづくりのための情報収集や共有に全員で取り組んでいこう」と、あいさつしました。青年会のメンバーはトマト部全体の約4割を占めているので「自分たちがしっかりしなくては」と常に心掛けています。

 就農して17年目です。15年目ぐらいまではトマトづくりの作業だけで精いっぱいでしたが、最近になって出荷後に関わる、選果場やJA、市場、バイヤーなどの皆さんとのつながりを大切にしていきたいと強く思うようになりました。生産者としてだけでなく、営業マンとして足利のトマトをどんどん売り込んでいきたいですね。

 産地として生き残っていくためには、何といっても味の良さが欠かせません。加えて、足利では多くの後継者が頑張っていることをセールスポイントとして、市場などにアピールしていきたいと考えています。


ようこそJAへ/JA足利/食や農業 楽しく学ぶ

 JA足利では、「くらしの活動」の一環で、地域の小学生らを対象とした農業体験スクール「JA足利あぐりキッズクラブ」を開校しています。3年目を迎えた本年度も、さつまいも苗の定植や田植え、稲刈り、クリスマスケーキ作り、みそ造りなどを体験し、食や農業について楽しく学んでいただきました。1月17日の閉校式で、参加児童全員が修了証を授与し、平成26年度のカリキュラムを終えました。27年度も同様の企画で開校予定。3月から参加者を募集します。

 4月には「健康寿命100歳プロジェクト」および「くらしの活動」の一環で「JA足利ウオーキング大会」を開き、地域の皆さまと共に汗を流し、健康増進を図ります。同じく3月から参加者を募集。春を満喫し、参加者相互の交流を深めていただきます。このほか、男性限定の趣味講座「男のいきいきセミナー」や、女性限定の「あしかが美人料理講習会」など、さまざまなイベントを開催します。

【問い合わせ先】JA足利 生活振興課 電話0284-41-7183

[写真説明]「常に品質アップを心掛けたい」と言葉に力を込める池田順一さん

[写真説明]ほどよく伸びたニラを収穫

[写真説明]稲毛孝生さん