華麗さと上品さを兼ね備え、異国情緒漂うトルコギキョウは、観賞用として最適で、冠婚葬祭のいずれにもマッチすることから花愛好者に高い人気があります。現在、日本が品種改良の中心で、花の形状では一重咲きや八重咲き、枝分かれして一本の茎に多くの花を咲かせるスプレー咲き、花の色は白、紫、黄色、ピンク、ブルー、開花時期も早生、中生、晩生がそろうなど、バラエティーに富んだ品種が特徴です。

 県内の生産は、足利市が出荷量、販売額ともトップです。1990年から市南部を中心に生産が始まり、徐々に各地に広がりました。JA足利での出荷量は、2003年の40万本から13年には165万本、販売額も4600万円から2億円と、10年間で4倍以上に拡大しています。JA足利の花き部会でトルコギキョウを手掛ける生産者も当初の3人から12人に増えており、その半数以上は自営業、会社員など異業種からの新規参入だそうです。

▽「リスクの高さ魅力」

 同部会の副部会長を務める室田憲一(むろたけんいち)さん(46)=足利市上渋垂町=は「トルコギキョウは遺伝子情報がまだ完全には解明されておらず、栽培法も確立していません。リスクが大きく、だれにでも手を出せる花ではありませんが、自分にとってはそこがたまらない魅力ですね」と笑顔で説明してくれます。

 1991年に栽培を始めた市内の草分け的存在で、以来、全国の先進地視察を重ねながら独自の技術を磨き上げてきました。その実力は、国内最大規模の「関東東海花の展覧会」で最高の農林水産大臣賞を2000年と昨年の2回受賞していることでも証明されています。「連作障害を起こしやすいので、水や肥料、温度のコントロールに細心の注意を払わなければなりません。人間を育てるのと同じように、優しさと厳しさのバランスが大切なんです」

▽勉強会で地域力向上

 室田さんは、約10年前から若手や新規参入者を対象に勉強会を開き、自らの経験と知識を惜しみなく伝授しています。特に昨年は、夏場の気温が低く、冬場の日照量が安定しないという逆境が続いただけに対策法をめぐる熱い議論が展開されたそうです。

 「若手生産者は、思わぬ環境条件に苦しみながら商品に仕上げるという貴重な体験ができたと思います。個々の力を高めることで地域全体のレベルアップを図り、日本一の産地を目指したいですね」

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • トルコギキョウの由来

    名前に「トルコ」と付くが、北米原産のリンドウ科の植物で、キキョウとも全く関係ない。名前の由来には、(1)元々の花の色である青紫色がトルコ石を連想させる(2)花の形がターバンに似ている(3)キキョウの花の形や色と似ている−など諸説あるが、はっきりと分かっていない。
    属名の「ユーストマ」はギリシア語で「良い口」を意味し、これは花姿に由来するとされている。

  • トルコギキョウの日本での歴史

    日本には昭和10年代に切り花用向きとして導入され、戦後、冷涼地を中心に栽培が盛んとなり現在最も人気のある洋花の一つだ。日本での品種改良は非常に盛んで、世界に出回る品種の大部分を占めている。

 

次代を担う/JA佐野/
関根哲也(せきねてつや)さん(33)/
「自分の色」目指し勉強中

 30歳の時に会社員生活にピリオドを打ち、祖父の後継者として就農しました。サラリーマンと違って、農家は全て自分で判断、決定していくので自分のやりたいことをやって結果を出せるところが非常に魅力的です。勤務していた製造会社で開発設計を担当していたので、同じ「ものづくり」ともいえるイチゴづくりに強い興味を覚えたという面もあります。

 イチゴづくりは、苗の仕立てから始まります。苗の仕立て方によって、その年の出来具合が全然違ってくるので気が抜けませんし、そこに自分の色をどれだけ出せるかが勝負だと思っています。自分はまだまだ経験が少なく、いいイチゴを育てるために必要な改善点について勉強している段階です。現在、青壮年部で最年少の本部役員を務めさせていただいており、さまざまな経験を通して知識や技術を高めたいと考えています。

 農業は国の政策で状況が大きく変わります。どんな状況になっても農家を続けていけるように、今後は規模拡大や販路拡大にも取り組んでいきたいですね。


ようこそJAへ/JA佐野/抹茶の香りで安らぎを

 JA佐野は、「JAくらしの活動」の一環として2月21日、趣味講座「抹茶の席~わびさびの世界をあじわう~」を開催します。茶道の歴史や作法・道具などについて解説を受けるほか、野(の)点(だて)に見立てた茶席では、参加者が二人一組になり正客、次客を想定しそれぞれ抹茶を味わっていただきます。

 お茶の優しい香りに包まれた会場で、静寂とひとときの安らぎを感じていただけたらと思います。「抹茶の席」の詳細は下記のとおりですが、定員がありますのでお早めにお問い合わせください。

抹茶の席~わびさびの世界をあじわう~
【日時】2月21日(土)午前9時30分から2時間
【場所】JA佐野研修センター(佐野市飯田町331)
【講師】大和遠州流 藤掛紫惠庵さん
【参加費】500円【募集人数】20名
【募集締め切り日】1月30日(金)
【問い合わせ・申し込み】JA佐野 営農・支援課電話0283・24・3420

[写真説明]冠婚葬祭のいずれにもマッチするのが魅力のトルコギキョウ

[写真説明]若手生産者のリーダーとして地域の生産技術のレベルアップに貢献している室田憲一さん

[写真説明]関根哲也さん