ソルボンヌ、マーロン、レクサス、テーブルダンス、シベリア、ノバゼンブラ、シグナム、サンブッカ…。これらは、いずれもJAうつのみやの「球根切花専門部」の農家が生産しているOH(オリエンタル・ハイブリッド)ユリの品種です。先の4品種はピンク系、後の4品種は白系の花を咲かせます。華やかな美しさと気品を兼ね備えたユリは、冠婚葬祭をはじめ用途が幅広く、特に卒業式、送別会シーズンの3月は出荷の最盛期となっています。

 「人気の安定した品種だけではなく、新品種にも積極的に挑戦しています。自分の思い描いた通りの花が咲いた時の喜びは格別ですね」。3年前から球根切花専門部長を務める渡邊(わたなべ)邦仁(くにひと)さん(36)は、そう言って親しみやすい笑顔になりました。

▽意欲的な若手集団

 同部はメンバー6人の平均年齢が30代後半で、渡邊部長を含む3人が新規就農者というフレッシュで意欲にあふれる若手集団です。ユリ切り花の周年集荷を目標に、年間ではメーンのOHユリ(約20品種)を約74万本、スカシ系を約2万本出荷しています。

 「花づくりの基本は土と水の管理に尽きます。メンバーのハウスの土壌は火山灰や粘土質などそれぞれ癖があるので、そうした特質に合った品種を選んで作るように心掛けています」

 同部では、連作に伴う生育不良や切り花品質の低下を防ぐため、さまざまな対策を講じています。例えば土壌の消毒については、ボイラーで発生させた蒸気の熱によって病害虫を防除する「蒸気消毒」を導入。防除効果だけでなく、根量の増加や吸肥力の向上などの効果も期待できるそうです。

▽ブランド定着目指す

 さらなる品質向上を目指し、メンバー全員が勉強を欠かしません。毎月1回、それぞれのハウスで現地検討会・目ぞろえ会を実施しているほか、年に5回、市場関係者や生花店、ユーザーを招いて率直な意見を聞かせてもらっているそうです。若いメンバーからは「お互いのハウスを見合うことで課題が見つかり、改善につながります」「県外の先進地にも出向き、いいものを全部盗んでやろうという気持ちでやっています」と前向きな言葉が次々と聞かれました。

 渡邊部長は、そんなメンバーを頼もしそうに見ながら「ユリは品種の移り変わりが激しいので常に勉強していかなければなりません。安定出荷と高品質を両立させるために、これからもやるべきことを地道に一歩ずつ進めていきたい」と力強く話してくれました。

 同部を担当するJAうつのみや営農部園芸指導課園芸指導員の芝(しば)田(た)桂一(けいいち)さんは「ここ数年で『宇都宮のユリ』に対する市場の評価はかなり高まっています。今後、部員たちの若い力で産地としてのブランドをさらに高めてほしいですね」と期待しています。


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • ユリの原種 北半球のアジアを中心に欧州、北米などに広く分布しており、原種は100種以上とされる。日本にはヒメユリ、オニユリ、ヤマユリ、テッポウユリなど15種が自生している。

  • ユリの分類 ユリの育種は近年、オランダが中心で、その進歩は目覚ましい。品種群としては、アジア原産のユリを中心に交配された「アジアティックハイブリッド(スカシユリ系)」、ヤマユリなど森林のユリを交配した「オリエンタル・ハイブリッド(OHユリ)」、タカサゴユリや日本原産のテッポウユリなどを基にした「ロンギフローラム・ハイブリッド」、テッポウユリとスカシの種間交配種の「LAハイブリッド」などに分類される。


次代を担う/JA足利 トマト部/森山正和(もりやままさかず)さん(35)/
失敗糧に飛躍の2年目

 新規就農でトマトづくりを始めて2年目です。これまで会社勤めを経て、「もっと広い世界を知りたい」と思ってワーキングホリデーでオーストラリアに1年間滞在したり、四国でお遍路をするなどさまざまな体験をしてきました。その後、自分で何か新しいことを始めたいと考えた時に、真っ先に浮かんだのが農業でした。

 うちの土地は石が多くてトマトづくりに適していなかったので、ほかから土を持ってきて盛り土することから始めました。1年目は水の管理に苦労し、病気を出してしまうなど失敗の連続でしたが、研修でお世話になった農家の方やJA職員、県の担当者など多くの人たちに指導していただき、最後までやり遂げることができました。

 昨年の経験で改善すべき点がよく見えてきたので、今年は最後まで病気を出さずにやり抜きたいですね。多くの方々の支援と協力があって今の自分があると思うので、将来は先輩たちから教わった自分の技術をもっと高めて、新規就農する後輩たちに伝えていけたらと考えています。


ようこそJAへ/JA足利/イベントでファンづくり

 JA足利では、平成24年度から「くらしの活動」の一環で、地域の小学生らを対象とした農業体験スクール「JA足利あぐりキッズクラブ」を開校しています。本年度で3年目を迎え、食と農業の役割を楽しく学ぶ場として好評です。昨年度はさつまいも苗の定植や田植え、稲刈り、クリスマスケーキ作りなどを体験しました。新年度も7回のカリキュラムを用意し参加者募集中です。締め切りは20日(木)です。

 また、4月19日(土)には「JA健康寿命100歳プロジェクト」の一環で「JA足利ウオーキング大会」を開き、地域の皆さまと共に春を満喫し、健康増進を図ります。3月28日(金)まで参加者募集中。足利市在住または在勤の方ならどなたでも参加できます。 

 このほかにも男性限定の趣味講座「男のいきいきセミナー」や、女性限定の「あしかが美人料理講習会」など、26年度もさまざまなイベントを開催し、地域の皆さまにより親しんでいただき、愛されるJAを目指します。

【問い合わせ先】JA足利生活振興課 電話0284・41・7183

【入会金】無料。ただし、講座開催ごとに参 加費を徴収。

【問い合わせ先】JA佐野営農・支援課 電話0283(24)3420


[写真説明]「新品種にも積極的に挑戦しています」と語る渡邊さん

[写真説明]「球根切花専門部」の部員たち

[写真説明]森山正和さん