連日の猛暑で食欲が減退している時、思い出してほしい食材があります。生で食べてよし、煮ても焼いても揚げてもよしと、さまざまな調理に対応できる“万能野菜”のナスです。暑さでほてった体を冷やす作用が強いので、夏バテ対策でも頼もしい相棒になります。

 今月から出荷が本格化している夏秋ナスは、本県をはじめ群馬県、茨城県など大都市近郊を中心に生産。本県産ナスの生産拠点となっているのがJAはが野で、同管内では日本一のイチゴに次ぐ特産物と位置付けています。

 ▽若い主婦にアピール

 さらに、主婦などの消費者に向けてナスの料理法や保存法などをアピールすることで販売促進につなげる取り組みにも力を注いでいます。3月に栃木野菜消費拡大事業委員会(事務局・JA全農とちぎ)が宇都宮市内で開催した消費者との交流会「キッチンスタジオ」に部会長として参加したのもその一環です。

 かつての高校球児は、猛暑に負けない熱い言葉で締めくくってくれました。

 「ぜひ若い主婦の方々にナスを使った料理に挑戦していただきたい。食べてさえもらえれば、その独特の魅力を必ず分かってもらえると信じています」

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • ナスの歴史 インド東部が原産のもともとは熱帯性の植物で、日本へは中国経由で渡来。既に奈良時代には栽培されていたとされ、日本での歴史は1200年にもなるという。

  • ナスの種類・品種 県内で栽培されている主な品種には、長卵形ナスの「千両2号」や「式部」がある。最近は、長ナスの「筑陽」も作付けが増えている。このほか、「賀茂なす」などの丸ナス、「民田」などの小ナスがある。

  • 良いナスの選び方 実がふっくらとして弾力があり、表皮がなめらかで光沢があるものを選ぶ。見た目に比べて軽いものは、実がスカスカになっている場合があるので注意。ヘタや表皮が茶色に変色しているものは、皮が固く果肉に種が多い場合がある。


 コラムオアシス/第一次産業の重み/効率至上主義から脱却を

 現在、TPPの問題において、雲行きが怪しくなってきています。私たちにとって大切なことは、日本の農業を守ることであると考えています。私たち国民は第一次産業の重みをよく考えなければなりません。国民一人一人の価値判断として、「安ければいい」「もうかればいい」「効率至上主義」などといった考えから離れる必要があるのではないでしょうか。

 地方に住む人々が心豊かに暮らせる地域づくりが今、必要だと考えています。

 日本では長い間、農林漁業の営みによって、国土保全・自然保全に努め、維持してきました。その中で、協同の力・精神が育まれてきました。これから私たちが暮らす地域を維持していくためにはさまざまな政策や産業を見直し、最大限工夫していく必要があります。まさに、「まっとうな日本」を築くためには「まっとうな農業づくり」から始めていくべきだと思います。

 私たちのJAは中山間地域にあります。JAはその地域に適した方法で、担い手や新規就農者が農業を営んでいけるような環境をつくり、地域でしっかりと協同の役割を果たしていかなければならないと考えています。

(JAなす南代表理事専務理事 荒井節)


 [写真説明]露地栽培の夏秋ナス「千両2号」を収穫する松本佳規さん
 [写真説明]キャリア40年の父・佳夫さん(手前)と妻・祐紅さんはナスづくりの大切なパートナー