日本の農業を守るために/直接支払いなど3政策を提言

 古来より「瑞穂の国」とたたえられた日本。人々の生活は農耕文化の上に成り立ち豊かな実りある農山村の原風景は、いつまでも私たちの心の中に息づいています。JAグループは、平成21年から「みんなのよい食プロジェクト」を展開していますが、日本の豊かな農山村を守ろうと6月、「協同組合の役割発揮による農業・農村の活性化に向けたJAグループの提言」を決定しましたので、その内容を紹介します。

 ■JAの求める支援策■

 日本の農業は、農業所得の減少、農業従事者の減少・高齢化など大変厳しい状況に置かれています=グラフ1、2参照。現在、国内食料の約6割を輸入に頼らざるを得ない状況にありますが、万が一、輸出国が不作などの事態に陥った場合は当然、自国の需要を優先し輸出を控え、日本国内の食料は不足してしまいます。そうした食料危機に備え、自給率をアップさせることが大切です=グラフ3参照。

 政府は「新たな基本計画」に基づき本年度から水田農業をモデルとして「戸別所得補償制度」を導入し、意欲ある農業者が農業を継続できる環境を整え、国内農業の再生を図り、食料自給率の向上を目指す政策を始めました。

 今回の提言で、JAは政府の制度よりも、さらに一歩踏み込んだ制度の提言をしています。ともに単位農地面積に応じて「直接支払い」を行う点で考え方は同じですが、支払い対象や算定方式などで農業・農村の多面的機能を反映した制度を提言しています=表1参照。

 ■生産者所得の安定を■

 さらに、JAグループの提言では「食料安全保障・多面的機能に対する支払い」、「品目別」の政策としての需給・価格の安定対策と、それに努力した生産者に対する経営所得安定対策である「担い手セーフティーネット」対策の3つの政策により生産者所得の安定を目指しています=図解参照。

 品目別政策では、水田、畜産、野菜、果樹など7分野にわたって、主食用米の備蓄制度の見直しなど農畜産物の需給調整、価格安定対策や農業経営の所得確保などに関する新たな取り組みを要望しています。

 さらに、農業・農村の持続的発展のためには担い手の育成・確保が欠かせません。しかし、災害による打撃や、需要の減少などによる販売価格・収入の変動が農業経営に与える影響は極めて大きいため、金融・税制面でのセーフティーネットが必要となります。

 ■目指す6次産業化■

 農村地域の活性化には、経済的支援ばかりでなく、JAの大きな理念の一つである「相互扶助」を柱とした組織的活動も挙げられます。「新たな基本計画」の中では、農業・農村の6次産業化の推進も盛り込まれています。6次産業化とは、生産・加工・販売の一体化(一次+二次+三次産業)することであり、新たな付加価値を生み出す地域ビジネスを創出・推進することで、そのベースには地域における新たな協同の輪を作ることが大切です。

 私たちが生きていく上で、食料は不可欠なものです。農業の衰退は、私たちの食や生活に深刻な影響を与えます。これからもJAは、行政、地域と手を取り合って「農」を通じた消費者との交流活動を進め役割を発揮していく考えです。


 【戸別所得補償制度とは】生産費が販売価格を上回り、赤字となっている農産物について、国が差額を補てんする制度。2010年度からコメで先行実施。生産調整に従うことを条件に、10アール当たり、少なくとも1万5千円を全国一律で支給する制度で、欧米でも、自国の農家を支援する上で主流となっている。

■洪水防止など金額に換算/多面的機能の評価■

 「農業・農村の多面的機能」とは、平成12年農林水産大臣の諮問を受け「日本学術会議」が審議答申した「21世紀への提言」とも呼べるものです。

 学術会議の答申では、「持続的食料供給が国民に与える将来に対する安心」「農業的土地利用が物質循環系を補完することによる環境への貢献」「生産・生活空間の一体性と地域社会形成・維持」などに大別し、年間評価額を答申しています=表2参照。

 しかし、この評価は「多面的機能」の価値のほんの一部に過ぎず、人々に与える豊かな心、ゆとり、癒やしなどの働きは計り知れません。「地域社会の振興」「伝統文化の保存」「体験学習と教育」などは、JAが掲げる「よい食プロジェクト」に通じる機能です。





読者の声 ~5月の紙面から~

【農家の方々に感謝】

・ナス好きの主人が、この紙面を見て思わず「美味しそうだね!!」(女性)

・ナスは大好き。おしんこ、焼き物、何でもおいしいですよね。“JAはが野”の農家の方々の苦労に感謝ですね。何を作るにしても農家の方々は大変ですよね。自然を見つめながら上手くつきあう。ありがとう。(50歳、男性)

【「国の基本は農業」に同感】

・「国の基本は農業にあり」…現在の社会を見渡し、切に切にそう同感するところです。農村社会が将来にわたり豊かで明るく元気でありますように。(65歳、女性)

【参考になるナスのレシピ】

・「お役立ちレシピ」非常に助かっています。「こんな食べ方があるのか~!」いつも目からウロコ状態です。(42歳、女性)

・毎回読んでおります(ファイルしております)。野菜が身近に考えられ、料理のレシピは大変参考になっています。(67歳、男性)