あく少なめ、調理も手軽

 食物繊維たっぷりの「ゴボウのサラダ」は、ヘルシー志向の女性から支持され人気を呼んでいます。デパ地下で話題となり、近年ではコンビニの総菜コーナーの定番メニューにも仲間入りするほどです。ゴボウはあくが強く、料理の際は酢水に浸すなどの手間が掛かります。「自分で作るのは…」と敬遠する人でも、食味・食感にこだわって開発された品種「短根ゴボウ」ならば手間いらず。手軽にゴボウサラダが作れます。

 ■ 愛称は「ごぼちゃん」 ■

 「柔らかく香りがあって、その上あくが少ない。生食でもいけるぐらいだね」。7年ほど前から短根ゴボウを手掛けている小山市荒井の磯貝文男さん(70)は、短根の特長をアピールします。短根ゴボウは、その名のとおり、長さが約35センチと通常のゴボウの3分の2の長さで扱いやすい点でも評判です。産地によっては「サラダゴボウ」とも呼ばれているようです。

 JAおやまの牛蒡(ごぼう)部会(36人)のうち、現在9人の生産者が約1・4ヘクタールで短根ゴボウを作付けしています。導入した9年前から「ごぼちゃん」の愛称で出荷しています。

 栽培する上での特長は、種まきから約3カ月という短期間(従来の品種は約5カ月)で収穫でき、短いため作業も楽な上、連作障害が少ない利点もあります。

 ■ 専用農機で掘り起こし ■

 磯貝さんのほ場では9月2日に今季初の収穫を行いました。ひざの高さまで高く盛られた畝からは、フキに似た大きな葉が勢いよく伸びています。その葉を切り落とし、大型カッターのような「ディガー」と呼ばれる専用農機具で畝の左右に切り込んで、細かい根を裁断しながら掘り上げていきます。

 通常のゴボウも生産している磯貝さんは「新しい品種だけど、味では長いものにも負けないね。品質アップと生産拡大に向けて頑張ってるので、ぜひ一度試してみてください」と笑顔で答えてくれました。

 JAおやまの短根ゴボウは、9月から11月にかけて東京・太田市場に出荷されます。またJAおやま管内の農産物直売場などでも販売されています。問い合わせは北部集出荷所電話0285・40・0200。

 [写真説明]「ディガー」と呼ばれる専用農機具でゴボウを収穫する磯貝さん。短根ゴボウは短いので作業も比較的楽だという=小山市荒井

 [写真説明]JAおやまの短根ゴボウ「ごぼちゃん」

 【安全安心の取り組み】 JAおやま牛蒡部会は、農薬の使用履歴の記帳を義務付け、安全・安心な農作物の生産を心掛けている。

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • ゴボウ(牛蒡) キク科の1年草または二年草。原産地は不明。古く中国から渡来し、根菜として栽培。多肉の根を食用とし、細長い滝野川、太くて短い堀川・大浦など、多くの品種がある。果実は生薬の悪実(あくじつ)として腫物の治療に用いる。(「広辞苑」より)

  • きんぴらごぼう 千切りにして甘辛く味付けした「きんぴら」の名前のいわれは、強精作用があるとされたため剛勇無双で知られた金平(「金太郎」坂田金時の息子)の名が付けられた。(「広辞苑」より)

  • 選び方 鮮度も風味も落ちにくい泥付きを選ぶ。ひげ根が少なく、太さが均一でまっすぐなものが良品。持った感じが軽いものは古く、“す”が入っているので避ける。洗いゴボウの場合は、表面がきめが細かくなめらかなものを選ぶ。


 コラムオアシス 食料自給率について 水田フル活用など振興策急務

 2008年度の食料自給率は、(カロリー基準で)41%と前年度に比べ1ポイント上昇した。しかしその中味は、食料の国際相場が高騰し、輸入が減少したためであり、自給率の回復には疑問がもたれる。世界の食料需給は逼迫しており、飢餓人が10億人ともいわれている。食料自給率の向上は国内の農業振興が必須の条件であり、担い手確保、農地の確保、農業技術開発など、農業生産基盤(農業インフラ)強化策が欠かせない。

 農業所得が増加し、農業で生活できない限り、担い手は増えない。ここ数年担い手が減少しているのは、農業では生活が苦しくなっている結果だ。農地利用では水田をフル活用し、転作における麦や大豆を生産し、加えて米粉用米、飼料用米を生産し、国民が消費すれば自給率は上げられる。農業振興を図ることは世界の食料逼迫からみれば輸入量を抑制することであり、国際的にも必要なことだ。また、水田を活用することによりCO2の削減、多面的機能の強化にもつながる。さらに、国内農産物であるので、食の安全、安心にもつながり消費者との信頼関係も強化される。

 現在の食料・農業・農村基本計画では15年の自給率目標を45%に定めているが農水省は10年後50%に引き上げる方向で検討している。自給率の向上が国内的にも国際的にも必須の事項であり、農政の基本的喫急の課題として最優先されるべきものと思われる。

(JAしもつけ組合長 落合靖)

読者の声 ~7月号から~

【50回記念特集を読んで】

・農家の皆さんがこんなにおいしい食材を提供してくれているので、私も家族のためにおいしい料理を作ります。(56歳、女性)

・子育て真っ最中の私にとって、子どもの食はとても心配・関心のあることです。生産履歴はとても安心で、買うときのひとつの目安になります。これからも農家の皆さん、よろしくお願いします。(30歳、女性)

・今回の紙面で、生産履歴記帳に取り組む生産者の方々の安全安心に対する真剣な姿勢を強く感じました。私たち消費者も応援を続けていきたいと思います。(56歳、女性)

・「三食ごはん」…。本当によい言葉ですね。健康な体を作るには、安心して食べることのできる地元の野菜・お米が何よりです。(女性)