豆腐づくりやレストラン

 今、農村の女性たちが元気です。地元農産物を生かした加工品の開発や製造販売、農村レストランの運営などを軌道に乗せ、地域おこしに一役買っています。

 ■ 店舗を構え商品増 ■

 高根沢町では、40代から60代までの農家の主婦らでつくる起業グループ「元気あっぷ・豆(2 )(まめまめ)クラブ」(鈴木ひかり代表、13人)が、地元産大豆を使って豆腐などを作り、地域の名物に育てました。同町の温泉施設「元気あっぷむら」敷地に店舗とミニカフェを構えて、販売、提供しています。

 同クラブは1997年に発足。同施設のレストランで提供するオリジナルの豆腐を開発し、製造していました。本にがりを使い大豆の風味にこだわった豆腐は好評で、「土産に買いたい」などの要望も。それに応えて99年に店舗とミニカフェを開店し、がんもどきや厚揚げ、おから入りケーキなど商品を増やしました。

 ローテーションで出勤し、午前6時から豆腐づくりを始めます。「メンバーの誰がいつ作っても、同じ品質にしなければなりません。最初は特に苦労しました」と鈴木代表。「家業や家事、育児との両立も大変ですが、メンバーの結束と家族の支えで乗り越えています」。学校給食への豆腐の提供や、「手作りとうふ体験教室」の開催など、事業内容も広がりました。

 一方、女性スタッフ2人で営業する鹿沼市野尻のレストラン華(池田智子店長)は、隣接する農産物直売所の旬の野菜を使って和食を中心とした家庭料理を提供しています。「生産者の顔が見える新鮮で安全・安心な野菜を使っているので、自信を持って提供できます」と、池田店長は笑顔でアピールします。今年4月で開店から丸3年。「手探りでやってきて、まだ課題もあります。改善しながら、温かい雰囲気のお店にしていきたいです」と前向きです。

 ■ 農村の価値生かす ■

 農村女性の活発な取り組みが広がっていることについて、宇都宮大学農学部の津谷好人教授は「農村の価値を生かそうとするベンチャーです。成功しているケースでは、仲間が平等な立場で、場面によってうまく個性やアイデアを出し合いながら工夫しています」と指摘。「今後は、例えば男性を加えるなど、これまでのメンバーの枠を越えて活動を広げることや、レストランならより洗練されたものを提供するなど、さらに工夫していくことが必要でしょう」とアドバイスしています。

 [写真説明]地元産大豆を原料に加工品を製造販売する「元気あっぷ・豆2クラブ」。元気あっぷむら敷地の店舗「雪花菜(きらず)」では、作りたての豆腐やがんもどきなどを取りそろえ、人気を集めている=高根沢町桑窪


 コラムオアシス 食料自給率って

 日本の食料自給率は40%となってしまい、先進諸国と比較すると、最下位となっています。生命の根源となる食料が60%も海外からの輸入に依存しているのはいかがなものか。考える必要もないでしょう。

 昔、自給自足という言葉があった頃は自給率100%に近かったでしょうが、ここ40年の間にどんどん下がってしまいました。

 これはカロリーベースでの統計で家畜の飼料等もカウントされていますので、日本人の食生活の洋風化によって、料理に使う素材が変わってきたことも一因でしょう。肉食やパン食が決して悪いと言う訳ではありません。

 家畜の飼料には自給飼料を使うとか、日本人に合った日本型食生活を実践することが自給率の向上に繋がります。国の政策では当面45%に上げるとの目標ですが、中々改善が図られないのが現状です。

 農業生産振興の施策の充実はもちろんですが、最近ブームになりつつある「地産地消」運動や「スローフード・スローライフ」の運動で国産農畜産物の安全・安心・新鮮を実感し、家庭内での調理で手料理・伝統料理を見直すことが自給率向上に繋がるでしょう。

(JA全農とちぎ県本部長 小出昭夫)