目標は大きく、常に前向き

 栃木県内のカボチャの産地では、那須烏山市などありますが、実は小山市や野木町もカボチャ栽培が盛んな地域なのです。観光バス業から農家に転身し、JAおやま かぼちゃ出荷会に所属する野木町の岩崎千昌さんの畑では、現在、JAおやま産カボチャの出荷作業がピークを迎えています。就職して4年目。現在、岩崎さんは春秋のブロッコリー、トウモロコシ、カボチャ、ホウレンソウ、麦、大豆の7品目を栽培。カボチャは借りている畑も合わせて5反(約50アール)の面積で栽培しています。

 岩崎さんが栽培するのは「ほっこり133(※1)」という品種で、4月に苗を畑に植えます。7月中が出荷の最盛期となり8月のお盆前まで続きます。作業は、基本一人で行いますが、ゆくゆくは従業員を雇用できるくらいまで規模を拡大し、収益を上げたいと考えています。「できなかったから面積を減らそうとは思いません。あと1人いればもっとおいしい野菜が、もっとたくさん採れたかなと常に考えています」と話します。

 

 「カボチャは手間をかけた分だけおいしくなる」という岩崎さん。なかでも苦労するのが「摘心(※2)」という野菜の生長を促す作業で、一本の苗からつるを2本だけ伸ばし余分なつるを間引いて伸ばしますが、この時期のカボチャのつるはどんどん伸びるため手が足りなくなります。

 カボチャ栽培に挑戦して今年で2年目。岩崎さんは「誰かに助けてもらっているうちは半人前。早く人に教えられるくらいになりたい」と常に高みを目指します。近年の天候不順の影響などもあり、葉が白くなってしまう「うどんこ病(※3)」には人一倍気をつけているそうですが、今のところ生育は順調だそうです。

おいしくて安全なカボチャを届けたい

 「人に食べてもらう以上、中途半端なものは出したくない」と採れた野菜は畑で実際に食べて出来を確認することもあるという岩崎さん。こうした野菜づくりの姿勢は、普段相談にのってくれる先輩たちの背中をみて学びました。おいしいカボチャを全国の人に届け、野木町や地域に貢献できる農業が目標です。

 カボチャは深緑で艶があり、切り口がコルク状になっているものが熟成されている証といいます。煮物はもちろん、薄く切ってニンニクといっしょにオリーブオイルで炒めるのも甘みが立つのでお薦めなのだそうです。岩崎さんをはじめ、熱意とこだわりをもった農家が栽培した甘いJAおやま産カボチャ。スーパーなどで見かけた際は、ぜひ手に取ってみてください。お問い合わせは、JAおやま営農部園芸販売課(電話0285・38・2373)。

雑学辞典

【ほっこり133】 ※ 1 カボチャの品種の一つで、肉質が繊密でほくほくしており甘みが強いのが特徴です。果皮は極濃緑でちらし斑が入り、大玉になります。色が濃く艶があるものがおいしいといわれています。

【摘心】 ※2 カボチャはわき芽の生育が旺盛で放っておくと繁茂して作業効率が悪くなるほか、果実へ養分が適切に行き渡らず実が大きくならなくなったりします。これを防ぐため づる1本に対して子づる2本仕立てにし、主枝のわき芽は基本的に全てかき取ることでおいしいカボチャに育ちます。

【うどんこ病】 ※3 カボチャだけでなく、ほとんどの植物の葉の表面に白いカビが生える病気で、まるでうどん粉をまぶしたような状態になることから呼ばれています。土や落ち葉に潜む糸状菌と呼ばれるカビが原因です。