「いちご王国」栃木県で生まれた日本を代表するイチゴの人気品種「とちおとめ」。生産量日本一の本県のイチゴの9割以上がとちおとめだということをご存じですか。栃木市西方町本城でとちおとめを生産する田谷修(たやおさむ)さんは「品質の良いとちおとめを作り続けたい」と話します。

果汁はジューシー

 とちおとめは「女峰」の後継品種として1996年、栃木県農業試験場で生まれました。女峰の特性である形の良さ、色の鮮やかさを受け継ぎつつ、大きな粒で味は甘いのが特徴です。果汁もジューシーで、果肉は柔らかです。
 田谷さんは祖父の代からイチゴを生産しています。県農業大学校を卒業後、22歳で就農しました。当初は女峰を作っていましたが、とちおとめに切り替え、現在は約3000平方メートルの敷地にビニールハウスを建てて生産しています。とちおとめはクリスマスケーキには欠かせないため、11月下旬から12月にかけてが、一年で最も忙しいといいます。取材で訪問したのは昨年12月25日のクリスマスの日でした。田谷さんは「クリスマス用のとちおとめは出荷が終わり、一息ついたところです。12月から1月にかけては、一番味が乗っておいしい時季です」といいます。

先端の方が甘い

 田谷さんはJAかみつがのいちご青年部の副部長を務めています。メンバーは20代から40代まで61人です。青年部では、他のベテラン生産者のビニールハウスなどで現地検討会を開き、イチゴの品質向上に努めています。
 田谷さんはとちおとめのおいしい食べ方について「そのまま食べるのが一番です。先端のほうが甘いのでヘタのほうから食べるといいと言われています」と話していました。

 

雑学辞典 

●健康にいいイチゴ 新鮮野菜や果物が少なく、ビタミンCが不足しがちな寒い冬こそ、イチゴを食べましょう。イチゴはビタミンCが豊富で新陳代謝を高める効果があります。肌のトラブルにも有効で、ウイルスへの抵抗力も高まります。

●とちおとめのおいしい食べ方 やはり生で食べるのが一番。ザッと洗ってヘタを取り、そのままどうぞ。口の中に甘酸っぱい果汁と芳醇(ほうじゅん)な香りが広がります。

次代を担う

小林千歩さん(31)/ JAなす南

笑顔につながるイチゴを

 

  2017年に子どもたちが入学、入園したのを機にイチゴ生産を始めました。夫はコメ生産者です。夫婦で協力し、周囲の人の支援をいただきながら、子育てと農業の日々を送っています。
 約10アールのビニールハウスにとちおとめを作っています。有機肥料を使って、減農薬の栽培を心掛けています。イチゴの生産は初めてで不安もありました。しかし、先輩の生産者の方たちにいろいろ教えてもらい、1シーズンを終えることができました。
 今シーズンは少し面積を減らしました。その分、手間暇をかけて丁寧に管理をしたところ、1シーズン目よりも収穫量は増えました。イチゴを買ってくれたお客さんからは「甘くて美味しいね。香りもいいです」と言葉をいただきました。
 「農業女子」が栃木県でも増えています。私も子育てと両立して、みなさんが笑顔になるようなイチゴづくりを目指します。