本県は肉牛の飼養頭数が全国6位で、首都圏最大の肉牛肥育の産地として知られています。その中で、まろやかな風味と安全な品質、値ごろ感を兼ね備え、県内外で広く親しまれているのが、黒毛和種の雄とホルスタイン種の雌を交配して生産される「交雑牛(F1)」です。本県産のレベルの高さは、JAグループ最大規模の枝肉共励会である「全農肉牛枝肉共励会」(JA全農主催)の交雑種の部で昨年まで6年連続して最優秀賞に輝いていることでも証明されています。

▽飼料の安全を徹底

 県内のブランド交雑牛には、2001年に商標登録された「とちぎ霧降高原牛」と、04年登録の「日光高原牛」という二つの銘柄があります。いずれも指定された同一生産者から同じ肥育飼養管理で生産されたもので、取扱店によって銘柄名が変わります。
「生産者の全てが同じ味、同じ品質に仕上げることで、地域としての付加価値を高める努力を続けています」と、JAしおのやの手塚信幸(てづかのぶゆき)畜産課長。その言葉通り、管内で交雑種を生産する4軒は、肥育の段階でカギを握る飼料に徹底してこだわっているそうです。主原料のトウモロコシは、遺伝子組み換えでないものを使用するなど安全安心に留意。さらに、食味アップを狙いコメを使用しています。

▽能力引き出す努力

 今年4月からJAしおのや肉用牛肥育部会の部会長を務める手塚正(てつかただし)さん(58)=さくら市狭間田=は、交雑牛を育てて35年のベテラン。現在、2カ月未満の子牛約90頭を含め約2600頭を飼育しています。「いくらキャリアを重ねても、相手は生き物なので常に気が抜けません。黒毛和種は自分で肉牛としての能力を出してくれますが、交雑牛の場合、母親のホルスタインの陰に隠れている能力をいかに最大限に引き出せるかが勝負です」と話します。

 それぞれの牛の日々の変化を見逃さないためには、家族の連携が不可欠です。正さんの妻の優子(ゆうこ)さん(56)は「うちは子牛から飼っているので飼育に苦労する面もありますが、手を掛けた分だけ良く育ってくれるのが喜びでもあります」と笑顔になります。

 やはり肥育の貴重な戦力となっている同部会の小池法子(こいけのりこ)さん(60)、豊岡知子(とよおかともこ)さん(79)と3人でこう声をそろえました。「常に消費者に喜んでいただける牛を目指す。この仕事に『これで満足』『完璧』はありません」

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • 本県の銘柄牛

    黒毛和種(和牛)の銘柄牛としては、指定生産者によって肥育され、枝肉格付けがA・B4等級以上の枝肉だけに与えられる「とちぎ和牛」のほか、「とちぎ高原和牛」「那須和牛」「おやま和牛」「かぬま和牛」などがある。

  • 牛肉パスポート

    「とちぎ和牛」「とちぎ高原和牛」「とちぎ霧降高原牛」「日光高原牛」の指定生産者が生産した枝肉には、個体識別番号、生産地・品種・性別・飼養期間・給与飼料などを掲載した「牛肉パスポート」を発行している。

  • 給与飼料

    「とちぎ和牛」は、肥育後期にコメを含む飼料で肥育していることが認定条件になっている。県産銘柄交雑牛は交雑種肥育用の系統くみあい配合飼料「マーブルシリーズ」を給与することが認定条件。

 

次代を担う/JAしもつけ青壮年部部長/
三上哲一(みかみのりかず)さん(41)/
「農業ファン増やしたい」

 青年部はイチゴやトマトなどの生産物ごとに組織されていますが、青壮年部は生産物を横断する組織です。交流イベントの運営や、JA役員との意見交換会で実践的な提言も行っています。4月に部長に就任した際には「青壮年部の活動をもっと多くの人たちに知ってもらい、交流を深めていこう」と呼び掛けました。若手が思っていることを気軽に口に出せる雰囲気づくりもしていきたいと考えています。

 イチゴづくりを始めて20年。年齢を重ねるごとに作物を見る視点が細かくなるとともに、できるだけ価格の高い時期に作物をいい状態に持っていけるよう苦心するようになりました。
将来の夢は、3人の子どもたちに「自分も農業をやりたい」と言ってもらえる環境をつくることです。

 そのためには、もっと消費者との距離を縮めることが大切だと考えています。例えば、メーカーが消費者を対象に工場の見学会を開くように、私たちも積極的に生産現場を見て、触れて、体験してもらうことで一人でも多くの方に「農業ファン」になっていただきたいですね。


ようこそJAへ/JAしもつけ/6会場でふれあいまつり

 JAしもつけでは、JAくらしの活動の一環として、地域の方も参加できる「JAふれあいまつり」を6会場で開催します。11月22日の大平・藤岡・岩舟地区、29・30日の壬生地区、30日の都賀地区、12月6日の栃木地区と各会場とも趣向を凝らした内容で皆さまをお待ちしておりますので、ぜひご来場下さい。開催会場等詳しい内容は下記のJAしもつけホームページをご覧下さい。

 また、11月8日には、地域住民の方々を対象に第1回ウオーキング大会を開催しました。色づき始めた三毳山のウオーキングや大きな「にっこり」梨の収穫体験、そしてゴールではJA女性会の手作り弁当をお配りし、参加者には大好評でした。

 この他にも、親子で農作業体験と収穫の喜びを味わう「あぐり親子うきうきクラブ」や女性大学「シモンちゃんセミナー」など楽しい活動を展開していますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

 JAしもつけ公式ホームページURL
=http://www.ja−shimotsuke.or.jp/

[写真説明]「この仕事に『これで満足』はありません」。そう声をそろえる、右から豊岡知子さん、小池法子さん、手塚優子さん

[写真説明]手塚正さんが飼育している子牛

[写真説明]三上哲一さん