ベルトコンベヤーで次々と運ばれていくトマト。トレーを使わずに移動させるため、転がることがなく、ぶつかって傷む心配もありません。個々のトマトについて、装備されたカメラで大きさや形を瞬時に判断し、箱詰めしやすいように選別していきます。


JA足利が運営し、100人近いパート従業員が勤務するトマト選果場(足利市野田町)の作業風景です。今作で導入から8年目となるこの選果機は、JA足利が県内のほかのJAに先駆けて取り組んでいる安全安心対策のGAP(農業生産工程管理)にも対応しています。

ここで箱詰めされたトマトは、商標登録も取得している「あしかが美人」のブランド名で出荷されます。出荷のシーズンは12月~7月で、4、5月が最盛期です。選果場を担当するJA足利営農販売課の青(あお)木(き)健(けん)太(た)さんは「パートさん一人一人の仕事の質が、市場からの評価につながります。選果や詰め方などにミスがないよう常に心掛けなければ」と力を込めます。

▽ジューシーさ際立つ

「あしかが美人」への誇りとブランド力をさらに高めたいという意欲は、生産者に共通するものです。トマト部(部員51人)の部長を務める廣(ひろ)田(た)勝昭(かつあき)さん(58)は「足利のトマトは水田裏作で土壌の水分安定度が高いのが特徴。ジューシーさが際立っています」と話します。

部員がつくるトマトの品種は、糖度と酸味が程よく調和した「麗容」で統一。さらに、トマトの色づき方が時季によって大きく異なることを踏まえ、市場に到着した時点で色づきが最高な状態にそろうように出荷時の色目を考え、統一する工夫を欠かしません。「10段階ある色目の中から最適なもので合わせています。『市場で売れる色にしてほしい』というニーズに応える努力を続けてきたことが、市場の高い評価につながっていると思います」と胸を張ります。

▽部員全員参加の運営

トマト部では、部長などの役職が1年交代です。全員が責任を持って部の運営に携わっていくための仕組みで、既に多くが部長を経験しています。20代~40代の後継者でつくる青年会のメンバーが21人と多く、ここ4、5年は新規就農者が目立っているのは将来に向けた明るい材料です。
廣田さんは「先輩方から受け継いだブランド力を高めるための努力をこれからも続けていきます。価格が変動する中でも市場からの信用が厚く、市場占有率を高められるトマトを生産していきたいですね」と力強く話してくれました。

 

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • トマト栽培の歴史 ヨーロッパでは、1519年にメキシコに上陸したエルナン・コルテスがその種を持ち帰ったのが始まり。日本では、江戸時代の寛文年間ごろに長崎へ伝わったとされる。。

  • おいしいトマトの選び方 全体の色が均一の濃赤色で、皮に張りと艶があるものが良品。ヘタの部分がピンとしていて元気がよく、枯れていないものは新鮮な証拠。重いトマトほど、中にジュースが詰まっているため、大きさが同じならずっしりと重い方を選ぶ。

  • トマトの保存方法 買ってきたトマトはポリ袋などで密閉した後、冷蔵庫の野菜室に入れて保存する。食べごろの完熟トマトは傷が付きやすく、傷の部分から傷みが始まるので、丁寧な扱いが必要。

 


次代を担う/JA佐野苺部会栽培研究会副会長/矢澤信幸(やざわのぶゆき)さん(37)/
よき仲間と「常に勉強」

 

「苺(いちご)部会栽培研究会」は、若手生産者を主体とした、新品種や栽培法の研究グループです。

昨年は、イチゴの害虫のハダニに農薬が効きにくくなっている現状を踏まえ、ハダニを食べる天敵のダニを使った防除法の研究に取り組みました。昔からあった技術ですが、いろいろと工夫を加えた結果、良い成績を挙げることができました。

こうした苺部会員が個人ではなかなか手を出しにくい栽培法や新技術を研究し、その成果を部会全体に広げていくことが、われわれ若手が果たすべき役割と考えています。

研究会としては、今後、新品種スカイベリーの生育法の確立を目指した取り組みもしていきたいです。

イチゴづくりは「常に勉強」です。収量をなるべく増やしつつ、味と品質をきちんと保つことを目標に、毎年、「もっと良いイチゴを」と心掛けています。お客さんに「おいしかったよ」と言っていただくことが最高の喜びですね。

ようこそJAへ/JA佐野/「男の会」で新たな趣味を
地域の男性向けサークル「男の会」は、JA佐野で初めて結成された男性だけの会です。平成25年9月に発足し、現在の会員数は15人です。参加者からは、新たな趣味を見つけることが出来、プライベートが充実したと好評をいただいています。JAの組合員に限らず、新しく何かを始めたい、共通の趣味をもった仲間を見つけたいという意欲的な男性を対象に、新規会員を広く募集しています。

今年は、趣味講座として「抹茶の茶わん作り」と「しめ縄作り教室」、また「サメ料理作り」や「キムチ作り」にも挑戦しました。特にキムチ作りは好評で、参加者から「冬の恒例行事にしたい」との要望もあり、平成26年度も実施する予定です。JA佐野女性会中央支部との合同行事で交流会も行っています。今後も会員の要望を取り入れ、より内容を充実させていく予定です。 

【会員資格】佐野市在住の男性。

【入会金】無料。ただし、講座開催ごとに参 加費を徴収。

【問い合わせ先】JA佐野営農・支援課 電話0283(24)3420

 

[写真説明]トマトの選果、箱詰め作業を行うJA足利トマト選果場
[写真説明]「ブランド力をさらに高めたい」と意欲的な廣田さん
[写真説明]矢澤信幸さん