「このおいしいコメを世界中の人たちに食べていただきたい。それが私たちの希望です」

 JAしおのやのコメ生産農家、見目(けんもく)修(しゅう)一(いち)さん(61)=高根沢町上高根沢=は、刈り取った稲をいとおしそうに抱え、将来の大きな夢を話してくれました。

 JA全農とちぎは2006年度から、なすひかりと「特別栽培米コシヒカリ」を香港に輸出しています。09年度からは、なすひかりの産地として高根沢町を指定し、価格を抑えられる「新規需要米」扱いで輸出しています。

 コシヒカリなど県産米の輸出量は、10年度の27トン(686万円)まで順調に伸びていましたが、11年3月の福島第一原発事故による風評被害などの影響で11年度は10トン(249万円)に激減。12年度も12・6トン(284万円)にとどまりました。

 ▽気象変動危機に対応

 本県の育成ブランドの一つ、なすひかりは、日本穀物検定協会の食味ランキングで10年産から3年連続で最上位の「特A」を獲得するなど、良食味には定評があります。さらに、倒れにくく耐冷性が強いなど、生産者にとってのメリットが多いのも特長です。

 かねて県は、人気品種のコシヒカリに偏ったコメ作りが気象変動による収量や品質低下のリスクを高めると懸念し、コシヒカリとは別のさまざまな良食味米を「奨励品種」として作付け転換を促すことで安定生産を図ってきました。県農業試験場が1990年、コシヒカリと「愛知87号」を交配して開発したなすひかりの場合、耐倒伏性の弱さなどに課題があった「ひとめぼれ」に代わる品種として期待され、2004年から奨励品種となっています。

 ▽「攻めの農業」を期す

  本県産米の国内外での市場拡大とブランドの向上を目指す上で、味の良さと作りやすさを併せ持つ品種は欠かせません。県やJAは、今後も国際見本市への出展や各種プロモーションの実施を通して海外のホテルやレストラン、消費者へのPRを行い、新規顧客の開拓を図る方針です。

 「お米の成長に不可欠な夏場の天候に恵まれました」と、満面の笑みの見目さん。「これからは攻めの農業が必要です。まず香港の人たちに食べていただき、おいしくて安全なコメだということを世界に広めてほしいですね」と話す言葉にも熱が入りました。

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • 栃木県のコメ生産量 農林水産省のまとめによると、2012年度の本県の収穫量は34万4800トン。全国都道府県別では福島県に次いで8位に該当する。

  • 「なすひかり」の名前の由来 県北、県央での栽培に適しており、全国的に有名な那須高原のさわやかなイメージとコシヒカリに由来する良食味であることから、「那須高原」の「なす」と「コシヒカリ」の「ひかり」を取り、命名したとされる。

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  • 新規需要米 米粉用(コメ以外の穀物代替となるパン、麺などの用途)、飼料用、輸出用、バイオエタノール用など、用途が主食用米の需要に影響を及ぼさないものと定義され、減反を進めながら自給率の向上にもつながるとして注目されている。


ようこそJAへ/JAかみつが/楽しくウオーキングを

 JAグループでは、「くらしの活動」の一環として「JA健康寿命100歳プロジェクト~運動、食事、検診・介護・医療~」を展開。JAかみつがでは、ゆとりと生きがいのあるくらしと地域コミュニティの再生を目指し、特に運動分野においてウォーキングを推奨しています。昨年の第1回大会(11月24日)は50人が参加して、鹿沼市のJA南部営農経済センター~樅山生子神社を廻る5キロのコースを歩きました。参加者からは「のんびりとみんなで歩くのはいいね」「また参加したい」などと好評でした。

 本年度は以下の通り2回開催します。

【南部地区】
▼日時 10月5日(土)午前9時30分~午後1時(小雨決行、荒天中止)
▼コース 出会いの森公園周辺(5キロ程度):鹿沼市

【日光地区】
▼日時 10月26日(土)午前9時30分~午後1時(小雨決行、荒天中止)
▼コース 日光だいや川公園周辺(5キロ程度):日光市

<両地区共通>
▼参加定員 先着50名程度(JAかみつが管内在住者)
▼参加費 無料(昼食付)
▼歩行方法 団体歩行(1班25名程度での2班編成)※JAグッズが当たる抽選会を実施
▼問い合わせ先 JAかみつが総務課電話0289(65)1000

 

次代を担う/JAかみつが ハウストマト部青年部部長/福田茂輝(ふくだしげあき)さん(35)/情報共有 高め合う仲間



  2月に神奈川県平塚市で開かれた「トマト・キュウリサミット」に参加し、青年部で昨年から取り組んでいる事例を発表しました。それは、部員それぞれがトマトの生育状況をこまめに撮影し、無料ブログサイトに投稿して全員共有の情報とする試みです。硝酸態窒素の濃度を測る「樹液診断」との組み合わせで、生育の安定した状態を見た目と数字の両方で把握することができます。

 「トマトづくり」と言いますが、私には「つくる」より「育てる」がぴったりきます。育児と同じで、いかに生育しやすい環境を整えてあげられるかです。そこを間違えると必ず後で無理が生じますから。ブログサイトへの投稿は、間違いを検証、発見できる記録となり、もし自分で気付けなくても仲間たちが指摘してくれます。

 これからも、楽しく活動しながら互いに高め合える青年部を目指していきます。

 [写真説明]稲を刈り取る生産者ら
 [写真説明]たわわに実った稲を手にする見目さん
 [写真説明]福田茂輝さん