氏家地区県内唯一の産地

 お盆を過ぎても、強い日差しと厳しい暑さの毎日。夏バテしそうな体の強い味方となってくれるのが、独特の歯応えとネバネバ感たっぷりのオクラです。

 熱帯が原産地のオクラは、全国的には高知や鹿児島、沖縄などが主産地。県内での市場出荷はJAしおのやの氏家地区のみのようです。

 JAしおのや氏家地区営農生活センターによると、30年ほど前に種苗業者から勧められたのが栽培のきっかけとか。「オクラは熱帯植物ですが、温度と日照があれば栽培できます。コメの生産調整の関係で作付けが始まったようです」と同センター。現在、氏家地区オクラ部会(薄井聖市(うすいせいいち)部会長)には22人が所属し、昨年度は5800ケース(1ケース3キロ)を出荷しました。

 ■ 重要な土づくり ■

 薄井部会長は8年ほど前から、約15アールを作付けしています。5月上旬から半ばにかけて種をまくと、1週間ほどで芽が出てきます。

 「大切なのは土づくり。どんな作物でもそうですが、土に力が付けば、成育が良くなります」と薄井部会長。化学肥料だけに頼ると土が疲弊してしまうため、有機質も加えることがポイントです。薄井部会長は播種前に、10アール当たり1トンもの堆肥をまくそうです。

 収穫時期は7月中、下旬から9月末までで、まさに今ピークを迎えています。芽は徐々に伸びて、7月下旬には1メートル前後に成長。最大で2メートルほどの高さになるそうです。

 手のひら状の大きな葉が生い茂る下に、クリーム色の花が付き、開花から1週間もすれば、先のとがった五菱の実が育ちます。食べごろは9~10センチ。収穫が遅れるとどんどん成長し、硬くなって食用には適しません。

 ■ 根気必要な収穫 ■

 比較的手間のかからない作物ですが、「収穫作業は根気のいる仕事」(同センター)。人によってはオクラの葉で肌がかぶれるため、長袖と手袋は必需品。暑い時季に“重装備”での収穫を強いられます。また、収穫初期の段階は、実が土から20センチ程度の高さになるため、腰を屈めながらの重労働となります。

 薄井部会長は「夜、寝苦しいぐらいの暑さだと、おいしく育つ。今年もいいものができていますよ」とPR。まだまだ続く残暑を、オクラで乗り切ってみてはいかがでしょうか。

【安全安心の取り組み】 JAしおのや氏家地区オクラ部会としては、生産者ごとに作業工程や使用農薬を記入してもらい、栽培履歴をこまめに管理。栽培講習会や現地検討会、出荷目揃え会などを通じ、意識統一を図っている。

[写真説明 1] 収穫のピークを迎えているオクラ。毎朝の作業は根気のいる仕事という=さくら市

[写真説明 2] 「大きな葉の下で育つオクラ。1本の茎から順に花が咲き、開花後1週間後には食べごろの大きさに成長するという

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇ オクラ編

  • 由来 原産地はアフリカで、紀元前2世紀にはエジプトで栽培されている。日本には19世紀中ごろに移入され、1960年代から本格的に食用として普及した。オクラの名前は一見日本語のようだが、英語の「okra」からきている。

  • 選び方 色鮮やかでつやがあり、切り口が新しく、まんべんなくきれいに毛で覆われているのがポイント。大きすぎると硬くなり、味が落ちる。乾燥と低温に弱いので、袋やラップに包んで冷蔵庫で保存する。

  • コーヒーに代用 コーヒーの入手が困難だった戦時中には、オクラの完熟した種子がコーヒー豆に似ていることから、乾燥させていり、代用した歴史がある。日本だけではなく英国やフランスでも代用品として栽培されたことがあるが、本物には程遠い味だったため、すたれてしまったという。


 コラムオアシス 農産物直売所 地域と触れ合う拠点に

 「JAしもつけ」は、今年で合併10周年を迎えます。地域と密着したJAであるために、各地区センターを拠点に、田植え体験や生産現場での農業体験、また消費者との交流に積極的に取り組んで参りました。また、地域の皆さまが地元の農業やJAを身近に感じ、理解を深めてくださるよう、農産物直売所を中心に新鮮な地元農産物を供給しております。

 しもつけの直売所は管内6地区で11店舗あり、いずれも好評です。中でも、大平地区の「愛菜果(あいさいか)」は、町との地域貢献協定に基づき、カインズモール店舗内へ5月に出店した新しい直売所です。顔の見える地元産の新鮮な農産物を積極的に販売することで、地元消費者に対し、JAしもつけブランドの確立を目指しております。また、地産地消の推進、情報発信交流の場としても利用する考えです。

 大平地区のみではなく、管内全地区から農産物が出荷され、周年出荷が可能なのも「愛菜果」の特長です。品ぞろえの充実を図り、「何度でも通いたくなる直売所」として地域の皆さまの生活に根づくよう、努めております。

 このように、JAしもつけは直売所を核として皆さまとの結びつきを強め、管内の農業振興と安全・安心な農産物へのご理解をいただくため、さらなる努力を続けて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(JAしもつけ代表理事組合長 川田匡男)

 ◇◆◇ 読者の声 ◇◆◇ ~6月の紙面から~

【食卓は日本産だけ】 わが家はシイタケ大好き家族。中国野菜の問題が起きてから安全・安心の日本産しか食べられません。安いだけでは、消費者はついていきませんよ!(46歳、女性)

【銅メダルに驚き】 生シイタケの生産量が全国3位とは知りませんでした。驚きですね!(銅メダルですね)(35歳、女性)

【まずは地産地消】 (コラムオアシスを読んで)国内自給率を上げることは急務ですね。どんなにお金を出しても、輸入できない時が来るかもしれない。そうなる前に、日本の農業を元気にしなくては…。まずは地産地消!!(50歳、男性)

【レパートリー増える】 マンネリ化のシイタケ料理も、「お役立ちレシピ」で一品増えました。鈴木さんのコラムも、分かっているつもりで読んでみて、「そうだね」とあらためて心に刻みました。(68歳、女性)