厳しい検査経て食卓へ

 米の生産量が全国第8位の栃木県。コシヒカリに限れば、新潟、茨城に次いで第3位を誇ります。自然に恵まれ、質・量ともに安定した米を出荷できる栃木県は、まさに「米どころ」といえます。

 ■ なすひかりに期待 ■

 栃木県内ではコシヒカリの生産が圧倒的に多いですが、最近は10数年かけて県が開発したオリジナル品種「なすひかり」が期待を集めています。

 なすひかりはコシヒカリの系統を4分の3受け継いでおり、食味が良く粒が大きい品種です。わせで倒伏しにくいため、農家にとっても栽培上のメリットがあります。さらにコシヒカリより収量が多く、価格が1割程度安いのが特徴です。

 市場は「おいしく、値ごろ感のある米」を強く求めており、県生産振興課は「なすひかりは消費者のニーズにぴったり合う。売れる米づくりの一環で知名度アップを図っていく。2010年産は県内での割合を10%にまで高めたい」と意気込みます。生産量は年々拡大しており、07年産は昨年の約3倍、1万トンの収穫を見込みます。

 なすひかりをはじめ、生産者が努力しておいしく実らせた栃木米。収穫後は農協施設などに集荷され、厳しい検査を受けます。その後、卸売会社などに運ばれ、高い品質と食味を求め、検査や調整が行われます。

 ■ 24時間態勢で管理 ■

 JAはが野農協には今年9月、もみのまま5000トンを貯蔵できる、本州最大のカントリーエレベーター(乾燥調製貯蔵施設)が誕生しました。集荷された米は、機械化されたラインを通り、ごみや異物をセンサーなどで厳重に取り除きます。さらに温風で乾燥した後、24時間態勢で温度管理し「生きたもみ」のまま貯蔵。必要に応じてもみすりされ、高品質な玄米として卸売会社などに出荷されます。

 ■ 実際に炊飯試験も ■

 JAグループの関連会社・とちぎパールライス(芳賀町)では、徹底した検査で異物を除去し、充実した精米施設できれいな「白米」に仕上げます。さらに、安定した品質と食味を求め、食味分析機器で玄米や精米をチェック。実際に炊飯試験も行い、食感や味、バランスを確認しています。

 こうして卸売会社で真っ白になった栃木米は袋詰めされ、県内だけでなく全国各地へ出荷されます。首都圏の小売店や外食産業などにも販売され、高い評価を得ています。なすひかりなら、県内の福田屋やイオン、ヨークベニマル、ベイシア、イトーヨーカドー、一部米店などで取り扱っています。

 新米が店頭に並び始めた季節。ふっくら、つややかに炊きあがった白いご飯が、秋の味覚を一層引き立ててくれそうです。

 【安全安心への取り組み】JAグループ栃木は、安全安心の確保を目指し、生産者に栽培履歴の記帳を義務付けている。また、コシヒカリを中心に全市町からサンプルを抽出し、残留農薬とカドミウムの検査、DNA鑑定を自主的に実施している。


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇ お米編

  • 品種 もち米とうるち米に分けられ、うるち米はさらにジャポニカ種とインディカ種に分けられる。日本のうるち米は、全国に300もの銘柄があるとされ、特に有名なのはコシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれなど。栃木県のJA米としては、コシヒカリ、ひとめぼれ、あさひの夢、アキニシキ、なすひかり、ミルキークィーンの6銘柄がある。

  • おいしい炊き方 精米は直射日光や湿気を避け、風通しの良い場所で保管。ぬか臭い水を吸わせないよう、素早くとぐのがコツ。力を入れすぎず、米同士をこすり合わせるように5~6回とぐ。浸水は夏なら30分以上、冬場は1時間以上。炊きあがったら、やさしく切るようにほぐし、釜の底と上を均等に混ぜ、余分な水分を飛ばす。

  • 無洗米 精米した白米の表面には、従来の精米機では取りきれない粘性のヌカが残る。このため、とぎ洗いでこのヌカを洗い落とす。無洗米は、今までの精米工程の後に、さらにヌカを取り除く加工作業が入る。とぎ洗いの手間が省けるだけでなく、とぎ汁を出さないため、環境にやさしい利点があるという。


 コラムオアシス 「食」「農」教育畦道サミット

 稲刈りのシーズンもまもなく終わろうとしています。今月13日秋晴れの下、消費者との農業体験交流会(稲刈り)を約40組の親子の参加をいただき実施いたしました。

 6月9日に泥んこになりながら田植えをした皆さんです。低温、日照不足、そして8月、9月の猛暑と厳しい気象条件にも負けず、稲がたわわに実った姿(作況99)を見た皆さんのうれしそうな顔…。早速、青年部の指導によりかまを片手に、一株一株手際よく刈り取りができました(コンバイン刈り取り試乗も実施)。

 今、子供たちを取り巻く環境は変化しており、物質的には何不自由なく恵まれている半面、子供の体験不足や自然と触れ合うチャンスも少なく、働くことの意義や目的も忘れられております。青年部のみんなと親子一緒になって腰をかがめ、顔一杯に汗を流し稲刈りをした体験は素晴らしく、さわやかな秋の風が心地良く強い印象として残ったことでしょう。最後にJAおやまのコシヒカリ、和牛そのほかの地元食材を使って青年部手づくりのカレーライスや豚汁を腹いっぱい食べて、働く目的、収穫の喜び、食の楽しさを実感できたと思います。

 「食」と「農」の持つ教育力を子供の成長発達に生かすことを、JAの事業として真剣に取組んで行きたいと思います。

(JAおやま代表理事組合長 篠原正雄)