■ 主要農産物貿易の現状 ■

 農産物は、基本的にそれぞれの生産国の国内消費に向けられており、その余剰が貿易に回される構図があります。貯蔵性も工業製品と比べて劣ることから、生産量に占める貿易量の割合が低いという特徴があります。また、主要農産物の輸出は、グラフの通り特定の国・地域が大きな割合を占めています。

 ■ 穀物需給は逼迫の恐れ ■

 今、世界的にバイオ燃料向けの穀物需要が高まり、食料・飼料・燃料の需要が競合して価格が高騰するなど課題が生じています。

 また、砂漠化の進行、異常気象などで穀物の生産が不安定な中、世界人口の増加で中長期的には需給が逼迫(ひっぱく)する恐れも指摘されています。農産物の大輸出国オーストラリアでは、近年干ばつ・天候異変により収量が例年より大きく落ち込んだ年が2000年以降2度もありました。

 ■ 自由貿易に疑問を提起 ■

 二国間協定(FTA、EPA)の締結件数が世界的に急増し、また途上国の経済成長に危機感を強める市場原理主義を主張するグループは、米国やEUなどとのEPA交渉を早期に進めるよう提言しています。しかし、野放図な自由貿易は地球規模の課題を解決できるのか、自由化一辺倒で本当にわが国の諸課題に対応できるか疑問が提起されています。

 ■ 三つ巴打開議論が活発 ■

 現在最終合意に向け厳しい交渉が行われているWTO交渉。06年に交渉中断の主因となった、農業の市場アクセス、農業補助金、非農産品市場アクセスの3分野をめぐる「三つ巴(どもえ)」の構造打開にむけて、主要国同士や少数国での議論が活発に進められています。現在は、特に米国の農業補助金の削減と途上国の非農産品の関税削減が重要となっています。

 ■輸入国には厳しい提案 ■

 農産物の関税削減は、高関税品目ほど大幅な関税削減を行うという「階層方式」で行い、一定数の「重要品目」に対しては異なる扱いをすることで既に合意されています。「重要品目」の数は、WTO農業交渉をリードするファルコナー農業交渉議長が示した案によれば、有税タリフラインの4~6%としています。わが国のタリフライン数は1332(有税1013)ですが、EUは約2200、米国も約1800あります。わが国など国土、自然条件などによって高関税品目を多く抱える国は、多くの品目を重要品目として扱えればよいが、ごく少数に限られた場合多くの品目が大幅な関税削減を求められる厳しい内容になっています。


◇◇ 将来に向けたわが国の課題 ◇◇

  • 都市と地方・農村の格差拡大
  • 内外経済の構造的変化
  • 人口減少・少子高齢化
  • 地球環境問題

◇◇ 深刻化する地球規模の課題 ◇◇

 ■ 人口爆発
  • 05年現在、世界人口は約65億人
  • 経済成長のけん引役は8億人の先進国から30億人のBRICs諸国へ

 ■ 貧困・飢餓
  • 1日1ドル以下で生活する人口は世界で12億人
  • 全世界で8億3000万人(14%)が飢餓状態で生活

 ■ 砂漠化・水資源の枯渇
  • 砂漠化の影響下にある面積は地球上の全陸地面積の1/4
  • 砂漠化の原因は過放牧・過耕作など

 ■ 地球温暖化
  • このまま温暖化が進むと2100年には地球の平均気温が5.8度上昇
  • 海水面の上昇、農業生産への影響

■生産者の訴え 作れば作るほど経営を圧迫

栃木市川原田町 大出陽子さん


バーチャルウォーター 世界から水買いあさる日本

 「バーチャルウォーター」とは「仮想水」ともいい、農産物や製品の生産に使われた水を、その製品の購入者が間接的に消費したとする考え方。日本は多くの農産物を輸入することで、外国の貴重な水資源を国内に輸入していることになります。例えば、牛肉100グラムを生産するためには水が2トン必要です。

 また、小麦1キロを生産するのにも水2トンが必要とされ、こうして計算すると、農産物の輸入に関する仮想水の年間の総量はわが国のかんがい用水使用量を超える量になります。


 コラムオアシス 我が家の元旦

 今ごろになってお正月の話をするのは、時季はずれの感がありますが、お許しを頂いて我が家の家例を紹介したいと思います。と言っても決してめずらしい事ではありません。元旦は夜明けとともに男(主)が起きて食事の用意をします。まず神棚や門松(今はありません)に上げるものを用意します。ご飯は、小豆ご飯です。これは普通のお米にゆでた小豆を入れて、炊いたものです。次に里芋と人参を適当な大きさに切って煮ます。味付けは煮干しのだしとしょうゆで決めます。これがやわらかくなったら、小豆ご飯と一緒に神棚に上げます。里芋は、私の住んでいる船生地区が昔水田が少なく畑が多かったころ、近隣の村々から「船生稗めし芋どころ」と言われたと聞いていますので、そのころの名残りでしょう。

 次に家族の食事の用意をします。おせち料理を前日までに妻が作っておくので、私は、粕汁を作ります。材料は、酒粕、鮭の切り身、豆腐、鳴戸、葱などです。味付けは鮭から出る塩分で丁度よい事が多いようです。出来上がりにみつ葉を入れて完成です。

 あとは、おせち料理を大きな皿に盛り合わせる事、これが大変な事なのですが、最近は娘の夫が手伝ってくれますので助かります。最後にお屠蘇を用意します。その頃、女性たちが起きて来ます。孫たちも起きて来て全員そろって乾盃して一年が始まります。このような話をすると、「今でもそんな事やってるの」と笑われます。

(JAしおのや代表理事組合長 伴瀬明郎)