「なすひかり」も新登場

 黄金色の田んぼが、県内各地に広がります。いよいよ収穫の秋です。コシヒカリなどをつくる高根沢町文挟の小林修さん(33)の田んぼでは、今月8日から稲刈り作業に追われています。「8月に入って暑い日が続いた上、適度な雨にも恵まれたので、今年のコメもいいできですよ」と、小林さんは自信を見せます。

 ■ 意欲ある若手たち ■

 就農12年目の小林さんは、農業後継者のホープ。専業で水稲、麦、大豆などを耕作し、「作物は手を掛ければ掛けた分だけ応えてくれる」と意欲満々です。「農業の持つ多面的機能を生かし、農地や地域を守りたい」と熱く語ります。今春、JA栃木青年部連盟委員長に就きました。おひざ元の高根沢町では、青年部の仲間と学校給食用に、除草剤を使わない安全・安心なコメをつくっています。

 一方、那須塩原市北和田の市村利男さん(60)は、2000年の農林水産祭で天皇杯を受賞したベテラン。今年の全国豆類経営改善共励会で農林水産大臣賞に輝いた長男和則さん(37)と二人三脚で、水稲、麦、大豆の大規模多角経営に取り組んでいます。

 「自給率を上げるには、土地利用型しかない」と力説する利男さん。この道40年余、水稲の耕作面積を当初の5倍以上の17・8ヘクタールに広げるとともに、収量や品質を低下させないよう努めてきました。粘りと風味のあるコメにするため、水の管理を徹底します。地元の畜産農家と稲ワラを交換し、完熟の堆肥を使って土づくりをしているのも、こだわりの一つです。

 ■ 「JA米」確立に全力 ■

 県内の生産者が丹精したコメは、JA全農とちぎを通じ集荷、販売されます。平成17年産米の集荷目標は18万3000トン。このうち8割以上がコシヒカリです。「ひとめぼれ」に代わる食味の良い本県オリジナルの新品種「なすひかり」も今年、一般家庭向けに登場します。

 JA全農とちぎは昨年から、(1)種子銘柄の確認(2)登録検査機関での受検(3)生産履歴の確認—などの条件を満たす新ブランド「JA米」の確立に全力を挙げています。平成16年産のJA米は集荷量の88%に上る好調な滑り出しでした。JA米を定着させることで、「安全・安心」なコメを安定的に消費者に届け、産地としての信頼感と競争力を高めていきます。

 [写真説明]大型のコンバインで稲刈りする小林修さん=9月8日、高根沢町文挟


 コラムオアシス 「もったいない」復権を

 最近「もったいない」という言葉を、よく見かけるようになりました。

 ケニアの環境大臣が、その意味のすばらしさを紹介したのがきっかけのようです。

 全ての物が豊富にあるこの時代に、「もったいない」が復活したのは、資源の再利用と言ったエコロジーの視点からでしょう。

 ところで私たちの時代は、食べ物を残すと、「もったいない」と言われて育ちました。

 そのため、食べ残したものをそのまま捨ててしまうには、いささかの抵抗感がありますが、今は食べ残しは、捨てるのがあたりまえの時代になってしまいました。

 これは、愛妻弁当がコンビニ弁当に変わり、手作り料理がスーパーの惣菜料理に取って代わったために、作り手の顔が見えなくなったため、捨てることに抵抗感がなくなったとも考えられます。

 しかしいずれにしても、これから世界的な食糧不足が懸念されるなか、命の源である「食」に関してこそ、この「もったいない」を真に復権させることが必要なことと感じます。

(JA共済連栃木県本部長 東海林久雄)