サトイモ生産量全国第5位を支えるJAかみつが

 秋本番を迎え、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモなどのイモ類がおいしい季節になりました。栃木県は、全国有数のサトイモの産地として知られ、生産量は全国第5位(平成30年、農林水産省統計)となっています。なかでも上都賀地域は、古くからサトイモ栽培が盛んな場所であり、JAかみつが管内で生産される量は、全農とちぎ取扱量の6割を占めています。しかし、近年は、農業従事者の高齢化や作業負担の大きさなどの影響で、サトイモの作付面積は減少傾向にあります。
 「今年のサトイモは、大きさや味は例年と変わりませんが、8月の猛暑の影響で形がいま一つよくない気がします」と話すのは、JAかみつが(鹿沼)里芋部部長の石川一磨(いしかわかずま)さん(63)です。
 サトイモは、3月下旬の定植後は、収穫までそれほど手間がかかりません。しかし、水不足に弱いので、とくに夏は乾燥させないように十分な注意が必要だそうです。

 

 石川さんが作っているサトイモは、粘りや甘みが強く、煮崩れしにくい「善光寺」と、肉質が柔らかく、ねっとり感がある「土垂(どだれ)」の2品種です。9月中旬から始まった収穫は、いまが最盛期で、4月上旬まで続きます。
 石川さんは、親の代から続くサトイモ栽培を受け継ぎ20年。農業以外の仕事もしながら、サトイモと米作りを行う兼業農家です。

収穫量拡大を目指し、新しい機械を導入

 上都賀農業振興事務所では、サトイモの生産者数を増やし、作付面積の拡大につなげようと、手間のかかる収穫作業の機械化の実演や、湛水栽培(水田のように水を湛えて生育させる栽培方法)などの見学会を開催しています。JAかみつが(鹿沼)里芋部の会員も参加し、最新技術の勉強を行っています。


 石川さんは今年の収穫に際し、「サトイモ分離機」を導入しました。サトイモは、収穫後に親芋から子芋、孫芋に分離する作業を行いますが、そのほとんどが手作業でたいへんな重労働でした。メーカーと共同開発したこの機械は、テコの原理で親芋から子芋・孫芋を簡単に分離できるため、
収穫作業の負担を大幅に軽減できたと言います。
 「いろいろな技術を取り入れ、作業の効率化をすることで、サトイモ栽培を始めたいという人が増えてくれればうれしい」と石川さん。
 サトイモの生産量を増やし、とちぎのおいしいサトイモをたくさんの人に食べて欲しいと話してくれました。

雑学辞典

サトイモの効能 サトイモ独特のぬめりは、ガラクタンという水溶性食物繊維によるもの。ガラクタンには、腸の働きを活発にし、血糖値やコレステロール値の上昇を抑制する効果があるとされている。

サトイモの選び方 ハリがあり、硬い泥付きを選ぶ。寒さと乾燥に弱いので、冷蔵庫では傷みやすくなることがある。新聞紙にくるみ、直射日光を避け5℃以上で保存する