繁殖から肥育までを一貫して担う
豊かなうまみと芳醇な香り、とろける食感が魅力の和牛。令和5年の統計によると、栃木県の肉用牛産出額は全国6位を誇り、「とちぎ和牛」や「那須和牛」に代表されるブランド肉は、市場でも高く評価されています。今回紹介するのは、大田原市の菊池崚馬さん。昨年8月に就農した、JAなすの肥育牛部会に所属する期待の和牛農家です。
菊池さん宅の牧場では、父・貴亮さんが繁殖・肥育一貫経営を導入。牛の飼育は、生まれてから10カ月頃まで育てる「繁殖農家」と、子牛を大きく育て肉用牛として出荷する「肥育農家」に分業するケースが主流です。菊池さん宅では、繁殖から肥育までを一貫して行っています。現在、肥育牛約70頭、繁殖牛約30頭を飼育しており、毎年15頭ほどの子牛が生まれます。自家産で足りない分は、県内の矢板家畜市場や山形県置賜家畜市場、福島県家畜市場から子牛を導入して育てます。
父と共に牛と向き合う学びの日々
小さい頃から父や祖父の仕事を身近に見ていたこともあり、「畜産ではなく、ファッションや服飾の道を目指していた」と話す菊池さん。しかし、いろいろ考えた末に大学を中退し和牛農家になろうと決意。菊池さんは「牛たちの命と向き合う覚悟がようやくつきました」と話します。
就農から間もなく1年。毎日早朝から牛の餌やりや堆肥出しなどの作業をしながら、一頭一頭を入念に観察。ぐったりした様子がないか、餌はしっかり食べているかなどを確認します。今年5月には初めて子牛の競りを経験しました。
「繁殖のみ、肥育のみだと、牛たちに無理をさせたり、ストレスを与えてしまったりすることもある。繁殖から一貫して飼育することが『最初から最後まで責任を持って育てる』というこだわり」と語ります。餌へのこだわりはもちろん、1マスに2、3頭を収容できる広いスペースを確保した牛舎など、さまざまな工夫をしています。
菊池さんは、今はまだ試行錯誤の日々ですが、将来は「おいしい牛肉になる牛を育て、和牛農家として評価してもらえる存在になりたい」と意気込みます。お祝い事や自分へのご褒美に、ぜひ菊池さんたち和牛農家が大切に育てた和牛を、味わってみてはいかがでしょうか。
お問い合わせはJAなすの 営農部 畜産課☎0287・62・5616。

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