「高冷地育苗」で高品質のイチゴ栽培に取り組む

 新年を迎え、イチゴ農家ではこれから収穫と出荷に追われる毎日が続きます。真岡・上野ファーム社長の上野孝明さん(38)は、生産量日本一のイチゴのまち、真岡市で「とちおとめ」と「とちあいか」を栽培しています。父親の代からイチゴ栽培を始め、上野さんが就農したのは、栃木県農業大学校を卒業した20歳の時。3年前には社長に就任し、現在は、上野さんご夫婦と両親の4人、パートさんで16棟のハウスと連棟ハウス1棟でイチゴ栽培を行っています。 上野さんは、父親の代から続いている苗を山に搬入して育苗する高冷地育苗(山上げ栽培)を今も守り続けています。毎年7月20日頃から9月20日頃までの約2か月間、鶏頂山の農場に5万株の苗を運搬して植えています。

 「苗の運搬は大変な作業ですが、平地より気温が低いので水やりの回数が少なくて済みます。また、炭疽病などの病気になりにくく、実が大きく、高品質のイチゴに育つなどのメリットがあります」と上野さん。高冷地育苗を終えた苗は、ハウスに定植され、開花してから約1か月後には収穫が始まります。 今年初めてハウス1棟で「とちあいか」の栽培を始めました。病気に強く、枯れにくく、きれいな三角形に育つなどのよさがある反面、肥料をやり過ぎると、イチゴの先端が青くなり、色がつかなくなるなど、初めて栽培する難しさも感じていると言います。今年は7月の長雨など、天候不順の影響で「とちおとめ」の出荷が例年に比べて遅れているそうですが、品質は変わらず、甘くておいしいイチゴができたと胸を張ります。

地元の農業を守るためにこれからやるべきこと

 上野さんは、現在、真岡市青年農業経営者協議会の会長を務めています。 「イチゴ農家が年々減少するなか、協議会の活動を通じてイチゴ栽培の魅力をもっと広めて若手の新規就農者を増やしたいです。新規就農者のなかには、農業未経験の人もいます。そうした人たちのために、気軽に相談できる場や仲間づくりの場を提供できればと考えています」と上野さん。農家にとって助け合える仲間がいることはとても重要とのこと。 地元の農業を守り、将来につなげて行くために、青年農業経営者協議会として何ができるかを考えていきたいと、今後の抱負を語ってくれました。

【問い合わせ】JAはが野 0285・83・7701

雑学辞典

新品種 とちあいか 栃木県10番目のオリジナル品種として「いちご研究所」(栃木市)で誕生しました。当初は、「とちぎi37号」と呼んでいましたが、名称投稿キャンペーンにより「とちあいか」に決定。その名前には、「愛されるとちぎの果実」になるよう、願いが込められています。

 酸味が少なく、甘さが強いのが特徴。病気にも強く、10月下旬から収穫できるため、収量も多く見込めるなど、生産者のメリットも多い品種です。