旧暦8月15日(今年は9月27日)は十五夜。中秋の名月といわれ、古来、満月をめでるとともに、豊作への感謝の印として収穫物を供える習わしがあります。中秋の名月は、旬を迎えたサトイモの収穫時期とも重なり「芋名月」ともいわれます。

粘り気があり、喉ごしが良く、甘みもあるサトイモは、煮物やけんちん汁、おでんなど家庭料理には欠かせない食材です。また、親イモの周りに子イモ、孫イモがたくさんつくので、昔から子孫繁栄を表す、縁起の良い食べ物とされ、正月料理や月見のお供え物としても活躍します。

▽出荷量全国6位

本県では鹿沼市、宇都宮市、真岡市、日光市、壬生町などを中心に栽培され、全国有数の産地として知られています。農林水産統計によると、昨年の県内出荷量は5160トンで、宮崎、千葉、埼玉、鹿児島、愛媛に次いで全国6位でした。

約40年サトイモ作りに携わっている、JAかみつが鹿沼里芋部部長の鹿野正躬(かのまさみ)さん(71)=鹿沼市板荷=は「サトイモは比較的丈夫な作物ですが水不足に弱く、乾燥させないように十分注意しなくてなりません」と話します。

サトイモの葉は、夕立のときには傘の代わりになるほど大きく、表面が水滴や汚れをはじきやすくなっています。大きな葉から太陽光をたくさん取り込むとともに、日傘代わりとなって畑に直射日光が当たらないようにして、大敵である乾燥からサトイモを守る役割も果たします。

鹿野さんの畑では例年4月上旬に植え付けを行い、9月下旬から11月上旬に収穫を行います。サトイモは南国が原産で寒さに弱いので、霜が降りる前に収穫します。収穫したサトイモの一部は翌年使う種イモとします。

▽収量増に注力

県内有数の産地を有するJAかみつがのサトイモは、県内はもとより、東京、神奈川など首都圏を中心に出荷されています。鹿野さんは「産地として出荷量を増やし、市場での存在感を強められれば。自分もいろいろな事を試してみて、良かったものは仲間に広めていきたいです」と地域全体での収量アップを目指しています。

日本古来の味覚とされるサトイモですが、近年は健康につながる作物としても注目されています。サトイモの特徴のぬめり成分には、胃壁や腸壁を守り潰瘍を予防したり、タンパク質の消化吸収を助けたり、便秘解消の効果もあるといわれています。

鹿野さんも「おいしくて健康にも良いサトイモを多くの方に届けられるように、産地を挙げて頑張っていきます」と力が入ります。中秋の名月をめでながら、本県産のサトイモに舌鼓を打ってみるのはいかがですか。


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • サトイモの歴史

    原産地はインド東部からインドシナ半島で、山間部に自生するやまのいも(自然薯)に対し、里で栽培されることから「里芋」と名が付いたといわれる。稲作が始まる以前に日本に伝来しており、ジャガイモなどが伝わるまでは、日本のイモ類の代表的な存在だった。

  • サトイモの選び方

    日持ちが良く風味が保たれるので泥付きのものを選ぶ。ふっくらとして張りのあるもの、指で押して硬いものが良い。皮に湿り気があり、ひび割れやこぶがないものを選ぶ。

  • サトイモの保存方法

    サトイモは寒さと乾燥に弱く、冷蔵庫では痛みが早くなることがある。新聞紙にくるむなどして、直射日光を避け5度以上で保存すると長持ちする。


次代を担う/JAしもつけ青壮年部部長
三上哲一(みかみのりかず)さん(42)/「熱意」で育てる農作物

20代前半から40代後半までの部員が集う、青壮年部部長に就任して1年半。「年齢や地区を越えて交流を深めたい」と、これまで以上に青壮年部の活動への参加を働き掛けてきました。また、会合も前年の反省を踏まえ、部員の意見をいただきながら「より実りあるものになるように」と、さまざまな工夫を凝らしてきました。

「環境が作物を作る」と農業の世界ではよく言われますが、実際に作物を作って手入れしているのは私たち人間です。より良い作物を作るには、私たちが学ばなければならないと考えています。「人間の熱い気持ちが作物を変えていく」のです。おいしい作物を皆さんに食べていただけるように、青壮年部の活動を通して意識改革も進められればと思っています。

イチゴづくりを始めて20年以上がたちました。生産者の声を消費者の皆さんに届けるために、これからはLINE(ライン)などソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)も活用し、JAしもつけの「香り輝くイチゴ」を感じていただければと考えています。


ようこそJAへ/JAしもつけ/趣向を凝らした「感謝デー」

JAしもつけの各支店では、偶数月の15日前後に「感謝デー」を開催しています。この取り組みは、平成24年に、JAで年金をお受け取りになるお客さまへ感謝を込めて、「年金感謝デー」として始まりました。その後、幅広い世代のお客さまに日頃のご愛顧に感謝する、「感謝デー」として発展しました。

感謝デーでは、花・野菜の苗やかき氷・ジュースなどのサービス、キャンディーのすくい取り、浴衣での窓口応対など、各店舗とも趣向を凝らした「おもてなし」で皆さまのお越しをお待ちしています。

なお、JAバンク・JA共済は農家以外の方でもご利用いただけます。JAとのお取引はこれからという方も「感謝デー」をきっかけに、JAを利用した暮らしを始めてみませんか。まずは、お気軽にお近くの支店にお越しください。次回の開催は10月中旬です。詳しい日程については、JAしもつけのホームページ(http://www.ja−shimotsuke.or.jp/)か、「JAしもつけ」で検索してみてください。

JAしもつけでは、これからも金融・共済事業や各種の事業を通じて、地域に根差した活動を展開してまいります。

[写真説明]収穫を前に大きな葉を広げるサトイモ。「秋を代表する旬の作物を味わってください」と話すJAかみつが鹿沼里芋部部長の鹿野さん

[写真説明]サトイモの大きな葉が日傘代わりとなって、畑を大敵である乾燥から守る

[写真説明]三上哲一さん