緑黄色野菜の代表格・かぼちゃのおいしい季節です。夏休みの食卓には、かぼちゃの煮物が山のように盛られ、だいだい色の彩りを添えてくれたのではないでしょうか。誰もが忘れることない、ふるさとを懐かしく思い起こさせる味覚の一つです。

 栃木県内では、那須烏山市特産の「中山かぼちゃ」をはじめ、小山市、野木町などでかぼちゃが生産されています。10年前から旧大平町(栃木市)で生産されている「大平かぼちゃ」は、2007(平成19)年度に(社)とちぎ農産物マーケティング協会の「とちぎ地域ブランド農産物」に、中山かぼちゃ(02年度認証)と並んで認証され、旧大平町の「おおひらブランド」にも認定されています。

 ▽ブランドの名に誇り

 JAしもつけの「大平南瓜(かぼちゃ)愛好会」(13人)会長の野原正男(のはらまさお)さん(78)=栃木市大平町富田(とみだ)=は「始まったきっかけは減反政策による転作でしたが、とにかく味で勝負できるものを作ろうと6人でスタートしました。今は『大平かぼちゃ』のブランドの名に誇りを持って、こだわりのかぼちゃを作っています」と、振り返ります。

 大平かぼちゃは、主に「九重栗(くじゅうくり)」、「ダークホース」などの粉質の強い品種を中心に約3ヘクタールで作付け。作型は、ハウス栽培(6~7月)、トンネル栽培(7月)、露地栽培(8月)、抑制栽培(11月)があり、旬の季節から「冬至かぼちゃ」の12月ごろまで出荷できる産地として市場の評判も良好です。

 ▽「1つる1果」を厳守

 こだわりのかぼちゃ作りとは、どの作型でも「1本のつるに1個の着果を厳守」して生産している点です。通常、かぼちゃは1つるから3から5個を収穫、放っておけば何個でも実をつけてしまいます。同愛好会では「実のしっかり詰まった、味の濃厚なおいしいかぼちゃのため」と、厳しい決まりを設けています。また基肥(もとごえ)に、ビール麦用の肥料を用いている点も大平かぼちゃの特長の一つです。

 出荷先にもこだわりを持ち、愛好会発足の2年目からは、宇都宮市場の仲卸業者を経て、大手スーパー「イオン」(今市店、小山店、佐野新都市店、栃木店、太田店=群馬県太田市)にのみ流通させています。ここ数年は、各会員が店頭にかぼちゃの煮物を携えて、試食販売を行うなどブランドの浸透を図ろうと努力を重ねています。

 野原会長は「わずか13人で1つる1果。数は出せませんが、食べていただいた方のだれもが、ホクホク笑顔でおいしいと言ってくれることを願い頑張っています。味には自信があります」とアピールします。大平かぼちゃについての問い合わせは、JAしもつけ大平地区営農経済センター電話0282・43・0800。

◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • おいしいかぼちゃの選び方 おいしいかぼちゃほど硬く、身が締まっていて重いと言われている。皮の表面が乾いており、くすんでいる方が熟した証し。

  • かぼちゃの語源 かぼちゃの語源は、「カンボジア」という説がある。原産は中南米だが、日本には16世紀ごろ、カンボジアから伝来したためその名がついた。

  • 冬至かぼちゃ かぼちゃを長期保存しておき、冬至に食べる風習があり、「風邪をひかない」と言われている。ゆず湯と同様の風習で、野菜の乏しい季節をのり切る先人の知恵。祭りの供え物の意味もあるとされる。

  • ハロウィーン 「諸聖人の祝日」の前夜に行われる欧米の民族行事。かぼちゃをくりぬきランタンを作り、子どもたちが家々を回るが、米国に伝わる以前、アイルランドなどではカブが用いられていた。


 コラムオアシス 「顧客満足」向上へ努力/地域に信頼されるJAに

 3月11日に発生しました東日本大震災では、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 平成23年度は、JAかみつがの「新たな協同の創造3か年計画」の2年目です。取り組みの大きな柱の一つに「元気なJAによるJAファンづくり」があります。JAが組合員、地域の皆様にとって「魅力的」なものであるために、「顧客満足」の向上へ事業や活動を継続的に見直し、充実した取り組みを展開していかなければなりません。そのためにもJAの総合力を発揮し、組合員、地域の皆様のニーズを満たしたサービスを提供し、将来にわたり地域とともに発展していくJAとして、多くの「JAファン」を増やすための努力をしてまいります。

 本年3月1日から実施した経済事業改革にともない、営農・経済部門を支店から南部・日光両営農経済センターに集約しました。営農経済センターからの購買品の配送一元化、営農経済渉外員・営農指導員による積極的に出向く訪問体制、資材店舗機能の強化により、今まで以上に専門性を発揮し、質の高いサービスの提供に努め、組合員と地域の皆様の営農と生活の向上に寄与してまいります。

 これからも地域に信頼され必要とされるJA実現へ、役職員一体となって全力で取り組んでまいります。

(JAかみつが代表理事組合長黒本一郎)

読者の声 ~6月の紙面から~

・毎日、新聞に載っている“放射線量”、それを見る限りでは心配ある数値には思えません。また「モニタリング調査などで安全性が確認されている」とのことなので、私はそれを信じて、あえて地元のものを購入しています。(39歳・女性)

・消費者からのメッセージを読んで、気持ちがひしひしと感じられ感動しました。我が家は地産地消、三食ごはんで食生活を続けています。これからも、その気持ちは変わりません。(72歳・男性)

・紙面を拝見して「たくさんの人が日本の、そして栃木の農業を応援しているのだな」と、胸が熱くなりました。スーパーでは今、とても安い値段で野菜が売られていると感じます。消費者の私たちには良いことですが、生産者の方を思うと申し訳ない気でいっぱいになります。(42歳・女性)