産地振興に行政も後押し

 100棟ものハウスが連なる北関東最大規模のイチゴ農園−。日本一の生産地・JAはが野の誇る「益子観光いちご団地」(益子町塙・電話0285・72・8768)です。12月上旬、シーズンスタート直後にもかかわらず週末になれば、団体客が詰めかけ、ハウス内は活気に満ちてきます。

 茨城県日立市の阿部勇さんは孫娘の瑞紀ちゃんと来園。「日本一の産地で食べる摘み立てイチゴはおいしいですね。それもこんな早い時期に…。昔は考えられませんでした」と感心していました。

 ■初出荷は9月27日■

 今シーズンのJAはが野いちご部会の初出荷は9月27日。この道ひと筋45年という大ベテランで、部会長の舘野義明さん(62)=真岡市西郷=は「私が始めた当初、ダナーを作っていましたが早くても1月の初出荷がやっと。20年ほど前(女峰)から、クリスマス出荷が当たり前になって、今は七五三の需要にも応えられるまでになっています」と感慨深げです。

 イチゴの消費拡大と産地振興を目指して進められてきた早期出荷への取り組みは米国産品種から栃木生まれの「女峰」、そして「とちおとめ」という品種の変遷と、各生産者の努力によって進められてきました。特に花芽が着く時期が早く休眠の浅い女峰は、画期的な品種で「女峰がなければ現在の栃木のイチゴはなかっただろう」と関係者の誰もが口をそろえます。

 ■年間8600トン産出■

 今年の生育状況は「良好」。9月から11月にかけての気温が低かったため株の充実が図れました。舘野さんは「ここ数年、暖冬続きでしたからね。今年は味も形もいいですよ」と手応えを感じています。

 現在、JAはが野のいちご部会員は685人で、昨年の出荷額は単価の下落により約76億円となってしまいましたが、出荷量は生産者の努力で約8600トン台を維持しています。とちおとめが生まれてもうすぐ14年。新品種を望む声も聞こえてきますが「シェアが拡大し、県外でも盛んにとちおとめが作られていますが、私たちも負けません。はが野のおいしいイチゴをたくさん食べていただけるよう頑張ります」とアピール。

 栃木県は産地の振興を推進しようと、芳賀地域に「いい芳賀いちご夢街道」を設けました。食をテーマにした9つの「とちぎ『食の回廊』」の一つです。また、真岡市久下田の道の駅「にのみや」では、クリスマスに合わせ「いちご情報館」がオープンする予定です。

 JAはが野は、益子だけでなく真岡市上大田和の「井頭観光いちご園」でもイチゴ狩り農園を開設します(1月2日から)。高設式栽培のハウスもあるので、お年寄りや車いすの方でも無理なく楽しめます。JAはが野のイチゴに関する問い合わせは、営農指導グループ電話0285・80・1919。井頭観光いちご園に関する問い合わせは、真岡流通センター電話0285・83・8700。

 [写真説明]JAはが野の「益子観光いちご団地」。毎年12月からオープンし、週末には団体客などでにぎわう=益子町塙

 [写真説明]出荷のピークを迎え、舘野さん宅の作業場も多忙を極める

 【安全安心の取り組み】 JAはが野いちご部会は、全県共通のGAP(農業生産工程管理)を導入し安全安心なイチゴを消費者に届ける努力をしている。農薬の不正使用のチェックや、出荷の際にも厳しい検査を行っている。


◇◆◇ 雑学辞典 ◇◆◇

  • 選び方 目印は、「ツヤ」と「ハリ」と「潤い」。赤色が鮮やかでツヤがあり、果実にハリがあることが鮮度の証。ヘタに「潤い」がありいきいきしているもの。

  • 規格 大きさ形によって規格が定められている。味に差はないが、用途によって使い分けるとよい。

  • 2L 形が良く、粒がそろっている。デコレーションケーキに向いている。

  •  粒が小さめ。一口で食べやすいサイズ。丸ごとの味を楽しめひと手間かけたアレンジにも向いている。

  • グランデ 大小や形の不ぞろいなもののバラ詰規格。パック詰めの手間が比較的少ないため、気軽に使える。料理や、おやつにも向いている。

(JA全農とちぎホームページ「栃木のいちご」 http://www.tochigi15.jp/ より抜粋)


 コラムオアシス 食糧自給率向上 飼料米の取り組みに期待

 米の生産調整への取り組みが始まってから38年たとうとしています。食糧増産の時代に生産に励んだ多くの農家が減反政策という予期せぬ施策に戸惑いました。さまざまな反対運動も起こり、その様子はマスコミ等でも大きく取り上げられ、農村社会も揺れ動き、不安と抵抗感で一杯でした。しかし、米あまりと米の消費減の現状を見れば、減反政策を受け入れざるをえないという状況だったようです。

 過去を振り返ると生産調整の取り組み過程で水田に米しか作付けできない地域ではさまざまな転作作物への試みが行われてきましたが、どれ一つ水田に定着する作物はなく、現在に至っています。

 現在、食料自給率の向上が国を挙げてのテーマとして問いただされる時代になってきました。そして、今年になって初めて新規需要米という位置づけで飼料米の取り組みが始まったわけでありますが、米しか作れない立地条件の悪い水田地帯にとっては待ちに待った施策が打ち出されたことは朗報です。まだまだ飼料米が定着するまでには、いくつかの課題があると思います。例えば、主食用米との区分けや飼料米専用稲の導入、飼料への配合割合の研究や価格面等々、しかし、これらの課題を乗り越えることにより飼料米の需要の拡大の道が開かれると思います。

 今後、飼料米の生産が転作の柱として導入されることにより、食料自給率の向上と主食用米の計画生産が確実に行われることでしょう。

(JA足利代表理事専務 石橋孝雄)

読者の声 ~10月の紙面から~

【リンゴ狩りに行ってきました】

・リンゴの予備知識を得て、つい最近矢板にリンゴ狩りに行ってきました。(58歳、女性)

【JAの社会貢献に感謝】

・JAの職員の人たちが、地域住民のメリットになることを考え「社会貢献を積極的に実施していきたい」と考えていることは、すばらしいことと思いました。(50歳、女性)

・農業の振興を真剣に考え、また、農業従事者の考えが分かる“ふぉーYOU”は他紙にない貴重な企画なので継続してほしいです。(50歳、男性)

【おいしかったアップルパン】

・アップルパン、おいしかったですよ!!煮たリンゴもすごーく軟らかくおいしいです。これからも“ふぉーYOU”を楽しみにしています。(60歳、男性)